第2話金輪山(こんりんざん)
「待たせたね。」両膝下の脛骨はブラブラと、当てもなく動かしている孝の覗き見る景色は下界の地獄界と現世界だった。
「凄いね地獄は本当に存在したんだね。みんなに言わなければ!」
切迫した面持ちではなく、余裕さえ感じられた。
「何をすっ呆けているのよ地獄は私達が存在した現代社会なのよ。ヤッくん?」
こんな死後の会話をしている二人は今、仏教上で語られるあの世の金輪際(こんりんざい)に座っている。
このサイトには中央に高く聳え立つ金輪山(こんりんざん)が存在する。
死んだ者は三十三年間掛けて金輪山を登り切り頂上で極楽浄土へ辿り着く。
ただし、現世で殺人や自殺をした人は地獄行きと決まっているらしい。
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