26話:『天水公園』の穢れ憑き①
『天水公園』の濁った水から、
ウネウネと不定形に動くその姿はまるで巨大なアメーバの様であり、「頭」と言っていいのか微妙なところだが、一番高い部分は優に4メートルを越えている。
全身に濁ったヘドロを纏っており、その
(コレは……昔よく感じていた感覚だ。俺によく“悪さ”をしていた奴等と同じ類の……ッ!!)
正直言って油断していた。
近頃逢う『あやかし』は愛嬌があるというか、怖い感じが全くしないので緊張感を失っていたのは事実。
久方ぶりに感じた「恐れ」に
「杞憂っち、すぐに湿地から出るんだ!!」
ハッと我に返り。
薬屋:
それを“好機”とでも捉えたのか。
(くッ!!)
逃げようが無い。
咄嗟に腕で顔を庇う――その
狐の美少年:
ものの見事に
遊歩道へ着地した
「うへぇ~、ヘドロで尻尾がドロドロだ。最悪」
「琥珀っち、帰ったら僕が洗ってあげるよ」とウキウキで
「薬屋は必要無い。
「えぇ~? なんか
「
「むむっ、そういう理屈か。だったら――」
ここで
結果は「ベチャっ」とヘドロの身体に小石が入っただけだが、
「おい
煽り耐性が低い、という訳でもないのだろうが。
「さぁ
コントロールは抜群。
「ぶはッ、ごほッ、げほッ……うげぇ、くっさぁ。ちょっと
「馬鹿かお前? 自分から当たりに行くやつを助ける訳ないだろ」
「むむっ、それは正論が過ぎるね」
などと一人納得する
茶番を繰り広げている
この会話の間もヘドロが飛んできて、それを
彼が居なかったら、
「おい
「勿論、一応それなりの対抗手段は持って来てるよ。と言っても、身体を動かすのはボクの領域じゃないからね」
言って、
直径1センチほどの小さな玉で、それをヒョイとに宙に投げ、
「この玉は何だ?」
「僕お手製の対:
「
「それは大丈夫。見た目はあんな感じでも中身は『あやかし』だからね。必ず何処かに本体が居て、そこには顔も口もある筈だ」
「そうか。しかしどうやって本体の『あやかし』を見つけ出せばいい?」
「そこはまぁ、気合で何とか? とにかくファイト!!」
「くっ、役に立つのか立たないのかわかんねーな……ッ」
いや、間違いなく役には立っているが、それと同じくらい残念な言動が目立つ。
期待通りに期待を裏切ってくれると言うか、何とも喰えない男なのは間違いない。
「
「お前の命令っていうのが気に喰わないけど、白蛇様の為に仕方なくやってやる。――けどッ」
今日何度目かのヘドロを防ぎ。
「
「いや、それは駄目だよ。一番動ける
(下っ端って……)
随分な言われようだが、
そりゃあ
「おい
「ん~、まぁそれで行くしかないみたいだしね。
チラリ。
視線を送るも、
「僕ってば顔と頭は良いけど、身体能力の方は残念な感じなんだよねぇ。もう、神様ってば意地悪なんだから~。
「………………(ま、別に期待してないからいいけどさ)」
丸薬をくれただけで十分だと、今はそう思っておく他ない。
ともあれ、防御一辺倒始まった
――――――――――――――――
*あとがき
続きに期待と思って頂けたら、本作の「フォロー」や「☆☆☆評価」を宜しくお願いします。
お時間ある方は筆者別作品「■黒ヘビ(ダークファンタジー*挿絵あり)/🌏異世界アップデート(純愛物*挿絵あり)/🍓ロリ巨乳の幼馴染み(ハーレム+百合*挿絵あり)」も是非。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます