第8話 鯉?恋.....?
☆(早見恋実)サイド☆
何か特売をやっていた。
私はお兄ちゃんと恋葉の為に美味しい物を作りたい。
そう思いながら私は特売品を見ていると.....目の前に貞本が立っていた。
私を見てからギョッとしている。
「あ、ああ。.....さっきぶりだね。恋実ちゃん」
「.....そうですね」
「その。か、買い物?」
「.....そうですね」
そんな返事しかできなかった。
私は貞本に強い嫌悪感を持って見る。
すると貞本は「その。今日は何を買いに来たの?」と聞いてくる。
その言葉に私は「何でも良いでしょう」と返事をした。
「.....私は貴方を許した気はないです。.....勘違いしないでください」
「.....そ、そうだね。.....確かにその通りだね.....」
「.....あくまで貴方の家庭の事情は知っています。.....きっとそれで歪んだんだろうなってのも知っています。.....ですがそれは単なる言い訳。貴方がした事は重大性が多すぎます」
「そうだね.....」
そして私は貞本に頭を下げてからそのままその場を後にしようとした時。
貞本は「1つだけ聞いても良い?」と言ってきた。
私は嫌だったが振り返ってから「何でしょうか」と聞いてみる。
すると貞本は「貴方達はもしかして2人ともに玖が好きなの?」と話した。
「.....私達は2人とも好きですよ。.....お兄ちゃんが。何たって自慢の兄ですから」
「恋愛感情で好きなの?」
「そうですね。私達は間違いなくお兄ちゃんが恋愛感情で好きです」
「.....そう」
それから貞本に「では」と挨拶してからそのまま食材を買ってから表に出る。
するとお兄ちゃんと恋葉が笑顔で立っていた。
私はその顔を見ながら笑みを浮かべる。
そうしているとお兄ちゃんが「ちょっと遅かったが.....何かあったのか?」と聞いてきた。
私は首を振る。
「.....つまらない事だよ」
「そうか?.....なら良いが.....」
「うん。あんまり気にしないで」
そして私は恋葉を見る。
恋葉も「?」を浮かべていた。
私はその様子を見ながら「帰ろっか」と話す。
それから歩き出した。
「.....ねえ。お兄ちゃん」
「.....何だ?」
「好きって何だろうね」
「.....いきなりとんでもない事を言うねお前.....正直よく分からないな。そういうの」
「そっか」
それから私達は家に帰って来る。
すると恋葉が「ねえ。お兄ちゃん。お母さんに挨拶しない?」と切り出した。
お兄ちゃんは「そうだな。.....でもいきなりどうしたんだ?」と聞く。
恋葉は「うん。何だか挨拶してもらいたくなった」と笑顔になる。
「.....そうか。.....なら行くか」
「うんうん」
そしてお兄ちゃんと恋葉が行っている間。
私は食材を冷蔵庫に直した。
それからテレビを点けたりする。
テレビでは.....恋愛の話のワイドショーがあっていた。
その様子を見ながら私は「ふむ」と思う。
「.....お兄ちゃんが好き.....か。.....でも日本では婚約できるのは1人だけ.....それも困ったもんだよね」
そんな事を呟きながら私は恋葉の事を考える。
(どれだけ好きなのだろうか。恋葉はお兄ちゃんを)とだが。
そしてワイドショーの音量を上げる。
専門家達が真剣に議論している。
恋愛の事の心理学とか。
『田中さんとしては.....恋愛とはどう考えますか?』
『私としては恋愛は自由で良いと思います。.....女性の心理と男性の心理とは色々と違う点が見られるのです』
『自由とは?』
『自由とは自己表現の自由などですかね』
そんな感じで議論されている。
私はそれを熱心に見ていると後ろから「どうした?熱心だな」と声がした。
驚きながら私は背後を見る。
そこにお兄ちゃんが笑みを浮かべてテレビを見ながら立っていた。
「恋愛とかか?」
「そ、そうだね」
「.....そうか.....まあ俺は多分しばらくこういう恋はできないって思うけどな」
「やっぱり心が傷付いているの?」
「そうだな.....まあ多少はな。.....だけどお前らという存在があるから持ち堪えているけど」
「.....そっか」
「あれ?そういえば恋葉は?」と私は周りを見渡す。
するとお兄ちゃんは「トイレだそうだ」と苦笑しながらソファに腰掛ける。
それからワイドショーを同じ様に観る。
お兄ちゃんは「初めから.....見抜ければ良かったんだけどな」と呟く。
「.....そうだね」
「.....」
「.....ね、ねえ。お兄ちゃん」
「.....何だ?」
「キス.....ってどんな味かな?」
そして私は何故か手を出してお兄ちゃんに近付く。
お兄ちゃんは見開きながら後退りしながら「れ、恋実?」という感じになる。
ワイドショーで.....さっきキスの事も言っていた。
確かにこの時間からは大胆だとは思ったけど.....だけど。
「.....れ、恋実。.....お前.....」
「.....恋ってどんな味かな.....」
「.....!」
それから私はお兄ちゃんに近付いていると「はー!スッキリした!」と声がした。
私は思いっきりお兄ちゃんから後ずさった。
そして恋葉を見る。
「は、早かったね」という感じでだ。
恋葉は「そうだね〜」という感じでニコニコする。
「.....?.....何かあったの?」
「な、何もないよ」
危なかった。
私は何をしているのやら。
とんでもない事をしようとしていた。
危ない危ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます