第5話 俺はお前を彼女とは認めない

☆(早見玖)サイド☆


何か.....恋葉と恋実の様子がおかしい気がする。

俺は驚きながら心臓をドキドキさせながら翌日を迎える。

正直、恋葉も恋実も何でこんなに積極的に迫って来るのだ.....?


考えながら俺は学校に登校する。

すると.....下駄箱。

目の前にその女は居た.....。


「.....蓮.....」

「あ。おはよう!玖。.....どうしたの?その顔」

「.....何でも良いだろ俺の顔なんて」

「そっか?」


近付いて来る蓮にそういう反応しかできない。

俺は.....蓮が嫌いだ。

浮気しているからであるが。


そんな事を考えながら俺は蓮を見る。

すると蓮は「.....ねえ。玖。.....私ってそんなに魅力ないかな?」と言葉を発する。

(何を言っているんだ?)と思いながら蓮を見る。

蓮は「何だか最近.....冷たいから。玖が。私の扱いが雑に.....」とそこまで言ったところで俺は「お前は浮気しているからな」と告げる。

まさかの言葉に唖然とする蓮。


「そ、そんな事ないよ?」

「.....そんな事あるから言っている。.....俺はお前とは別れようと思う」

「.....え.....い、いや。ま、待って!一回だけしか会ってないから!」


そう言い訳をする蓮。

自分が情けないと思わないのか。

思いながら蓮に「この事は言いふらさない。.....俺にも迷惑がかかるしな。.....だからお前も別れろ」と強調する。

すると蓮は涙を浮かべた。


「.....自分の行いを反省しろ」

「分かった。もう別れる。.....ごめんなさい。私が悪かった」

「.....何でそんな事をするんだ。お前の事.....信頼したかったし.....」

「分からないって思ったから.....だからやった。反省する」

「.....」


俺は「そうか」と言いながらそのまま階段を上がると恋葉と恋実が居た。

「アレェ?お兄ちゃんは?」という感じで探している。

その事に俺は「わっ!!!!!」と大声を上げる。

すると恋葉と恋実は驚いたのかずっこけた。


「何をしているんだお前らは」

「おにーちゃん。サイテーだね。驚かすなんて」

「そうだよー。びっくりしたんだから」

「いや。お前らな」


そんな感じで会話をしていると「まぁまぁ」と声がした。

それは元春だった。

相模元春(さがみもとはる)である。

ちょいチャラ男の茶髪。

俺の数少ない親友だ。


「せっかくかわい子ちゃん達が来ているのにそういう態度もなぁ」

「いや。そうは言ってもな。.....何をしに来たんだよお前ら」

「うん。.....お弁当を届けに来た」

「は?」

「.....お弁当。.....恋葉が作りたいって言ったから」

「.....恋葉のお弁当.....」


青い包みをモジモジしながら渡してくる恋葉。

「勇気出して」と恋実がサポートしている。

そして驚く俺達を恋葉が上目遣いで見てきた。

それから「おにーちゃん。食べてくれる?」と言ってくる。

くぅ!


「.....可愛いなお前」

「.....可愛いかな?ありがとう!えへへ」

「えー。そんなの!恋実には!?」

「お前も勿論可愛いよ。恋実」

「それとって付けた様な表現だね.....」


「可愛いのは事実だからな」と俺はコメントしながら2人を見る。

すると「ん?でもこれって愛情弁当か?.....あの子はどうした?貞本は」と聞いてきながら俺を見る。

俺は少しだけ複雑な顔をしてから「別れた」と告げる。

元春は「そうか。何か事情ありげだな。.....まあ聞かないけど」と話す。


「.....じゃあまた新しい彼女を見つけないとな」

「.....お前って本当に良い奴だよな。そういう所だけは」

「おい。そういう所だけってのは何だ」

「そういうもんだ」


そして俺達は笑い合っていると目の前の恋葉と恋実の様子がおかしかった。

何がおかしいって言えば.....そうだな。

ニヤニヤしている。

まるで嬉しいどころの騒ぎじゃないって感じの。

どうなっている?


「恋葉?.....恋実?ど、どうした」

「.....えへへ。.....そうなんだ。別れたんだー」

「.....良かったね。恋実。じゃあこれで.....」

「そうだね。恋葉」

「だね」


全く会話の意図が読み取れないが。

その代わり横に居る元春がピーンときてから「なるほど」と呟く。

そして俺を見てスカした笑顔を浮かべる。


オイお前ら何の話だ。

全く分からないんだが?

考えながら俺は首を傾げてから大きなチャイムの音を聞く。

その事に慌てて俺達は別れた。

何だったのだろうか。

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