第4話 ふーん.....。

☆(早見恋実)サイド☆


私達の親。

つまり母親だけど早くに心筋梗塞で亡くなった。

それから私は恋葉と一緒にお兄ちゃん一家と再婚した。

それから私はお兄ちゃんが好きになってしまい。


全てのきっかけはあの日だったと思う。

恋葉が受験が嫌になってしまい死のうとした日だ。

私よりも早く恋葉を見つけ出してお兄ちゃんは救った。

あの日の事は今でも忘れられない。

お兄ちゃんは川に飛び込んだ恋葉を救った事により表彰もされ新聞に載った。


それからかもしれない。

お兄ちゃんを求め始めたのは。

なんかめちゃくちゃにお兄ちゃんは格好良い。


蛙化とか蛇化現象とかそんな言葉があるけど。

そんなもの関係なしに私はお兄ちゃんが好きだ。

全然飽きない。

大切な家族を救ってくれたお兄ちゃんが大好きである。

だからこそ。


「?.....恋実。どうした?」


恋実になっている恋葉を見るお兄ちゃん。

その言葉に恋葉はビクッとしながら「う、うん。実はね。私.....新しい事にチャレンジしたいって思うんだ」と言葉を発する。


それから「マフィンとか作ってみたくて」と適当な言葉を並べていた。

そうだな確かにマフィンは難しいと思う。

見た感じは簡単そうだが。


私はニヤッとしながらその言葉を聞く。

するとお兄ちゃんは「あー。マフィンか。あれ美味しいよな.....」と興味を恋葉の様子に持ち始める。

恋葉はニコニコしながら「でしょ?」と言い始める。


「だ、だからおにー.....じゃなかった。お兄ちゃん。手伝ってくれる?こっちに来て」

「?.....あ、ああ」


そして恋葉は大胆にもお兄ちゃんの背中を押す。

それも.....手じゃなくて胸で押した。

私はドキドキしながらその姿を見る。

するとお兄ちゃんが「待て!?恋実!そんな事をするな!?」と大慌てになる。

これも予想通りだが。


「だ、大丈夫だよ。お兄ちゃん。兄妹のスキンシップみたいなものだよ」

「それは大丈夫とは言わないだろ!?お、お前な.....」

「お、お兄ちゃんは嫌?」

「嫌とかじゃなくてやったらダメだ。そんな事をな」


すると恋葉は私を見てきた。

そしてサポートというか「来てほしい」という感じの顔をする。

私は立ち上がりながら「まあまあ。おにーちゃん」と完璧な演技をする。

それからニコッとした。


「おにーちゃん。恋実はわざとじゃないと思う。本気でおにーちゃんが好きなだけだと思うよ?」

「いやそれは分からんでもないが.....」

「じゃあ私もやってあげる。えーい」


そんな言葉を言いながら私はお兄ちゃんの腕に腕を絡ませる。

それから胸を押しつけた。

お兄ちゃんは「待て!?」という感じで慌てる。

そして「お前.....恋葉!?」と赤面する。


「良いなぁ」

「じゃあ恋実はこっち側ね」

「うん。ありがとう」

「やめ?!」

「あはは」


そして私達は腕を取る。

互いに左右からだ。

私達はそれからお兄ちゃんを見てから互いに見合う。

そうしてから「さて問題です」と切り出した。


「私は」

「私は?」

「「誰でしょうか?」」

「.....え!?」


お兄ちゃんは大慌てになる。

それからお兄ちゃんは「まさか.....」と青ざめる。

そして「またお前ら服とか交換したのか!?」と言葉を発した。

私達はその言葉に眼鏡を交換する。

「そうだよ。おにーちゃん」と恋葉が明かす。


「.....私は恋葉だよ」

「私は恋実。.....駄目だねお兄ちゃん。まだまだ優勝とはいかないね」

「お前ら.....こうやって交換し合うのは良くないって。心臓に悪い」

「私達はあくまで遊びでやっているだけだから」

「そうだね。恋実」


そう言いながら私はお兄ちゃんを見る。

それから「でも今日マフィンを作りたかったのは事実だから。恋葉もお兄ちゃんも座ってて」と笑顔になる。


お兄ちゃんは呆然としていたがやがて恋葉に連れられて台所から離れた。

私はそれを確認しながらマフィンの材料を用意した。

成り行きだがまあ良いと思う。

お兄ちゃんと恋葉の為に愛を込めよう。

思いながら私はマフィンを作った。


☆(早見玖)サイド☆


馬鹿どもめ。

思いながら俺は心臓に.....というか。

胸に手を添える。

これも計画の内だとは思うけどめっちゃ恥ずかしい。

考えながら深呼吸していると恋葉が寄って来た。


「おにーちゃん」

「な、何だ。恋葉」

「勉強おせーて?」

「べ、勉強って.....お前は成績優秀だろ。.....俺よりも」

「それはそうだけど。.....真面目にするから」


真面目にすると言われましても信じられない。

そう思いつつ恋葉をジト目で見る。

恋葉は「大丈夫だって」と言ってくる。

「私は恋葉だから」とも。

いやそういう問題ちゃうんやで。


「お前な。そういう問題か」

「あれ?そういう問題じゃなくて?」

「.....ったく。真面目にするんだな?なら教えてやるよ」

「わーい。おにーちゃんありがとう」


それから俺は恋葉に勉強を教えていると背後から良い香りがした。

それは恋実が焼いたマフィンと紅茶だった。

そして恋実は俺達に笑みを浮かべる。

「.....仲が良いんだね」と背後に黒い炎を燃やしながら.....オイ。

そういうもんじゃない.....紅茶が溢れているからな!

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