メガネをかけ、2人目の友人を見る下③

「それで行きたいって言ってた所には行けたけど、次どこに行く?」


喫茶店を出て近くの公園のベンチに座って今後のことについて話した。


「次か〜そうだな〜・・・・こっから歩いて〜10分ぐらいの所にショッピングモール出来てなかったけ?」


ショッピングモール?確か先月辺りに出来たってクラスで噂になっていたな。


「確かに出来ていたな。それじゃそこに行くか?」


「行こ〜。」


今回は手を繋がなくて良いよな?・・・・ダメですかそうですか。


無言で出された手を握って怠蘭を立たせて一緒に歩き出した。










「そういえばさ〜二ヶ月後には〜修学旅行あるよね〜。」


「そうだな。確か京都と奈良だっけ?」


「そうだよ〜。聞いた話によると〜清水寺では〜自由時間があるらしいよ〜。」


「本当か?だったらそこでお土産とか買えるな。」


「どんなの買うの〜?」


「火燐は辛い物が好きだから買って、後は自分用に抹茶とか八橋買いたいなーなんて。」


「へぇ〜良いじゃん。もし〜自由時間の時〜一緒に歩き回らな〜い?」


「おう、良いぞ。」


そんな他愛ない話をしながら歩いていると信号を二つ先の所に結構大きいショッピングモールがあった。


「あそこの建物がショッピングモールか?」


「そうだよ〜。」


少し足早でショッピングモールに向かった。








「中は広いな・・・・」


中は吹き抜けになっており中央にエスカレーター左右には沢山の店があった。


「それで何買うんだ?」


「ん〜そうだね〜、服とか買ってみようかな〜?」


「服か・・・・何階にあるんだ?」


近くの電光掲示板を見た。


・・・・なるほど、3階か。


「それじゃ3階に行くか。」


「分かった〜。」


そしてエスカレーターに乗り、3階まで移動した。


「えっと服売り場は・・・・ずっと真っ直ぐ行った所か。」





ここが服売り場か・・・・


「服屋なだけあって色々あるな〜。」


そこから怠蘭と別行動して色々な服を見ながら歩き回っていた。


そして近くにあったマネキンに着せられてる服を見た。


「これとか怠蘭にめっちゃ似合いそうだな。」


OLが着ているようなスーツを見ながらつぶやいた。


というか怠蘭はあんな間延びした声をするけど、いつからあんな風になったんだっけか?最初話した時はあんな間延びした声じゃなかったはずだったけどなぁ。


そんな事を思いながら見ていると電話がかかって来た。


「ん?誰だ?」


電話番号を見ると校長先生だった。


「なんで校長から?とりあえずでるか。」


「もしもし?」


『休日にすみません』


「大丈夫ですけど・・・・どうしたんですか?」


電話の話を聞いていると驚きの内容が聞こえて来た。


「えっ─────短期留学?」


『それですみません。明日学校に来て欲しいのですが・・・・』


「あ、はい・・・・大丈夫・・・・です。」


『ありがとうございます。それでは明日の9時ごろ待っていますね。』


そして電話は切れた。




















そこから少し歩き回り怠蘭と合流した。


「色々買ったんだな。」


「いや〜可愛い服が多かったからね〜。」


「それでどうする?そろそろ13時だけど・・・・フードコート行くか?」


「そうだねぇ〜そろそろ休憩したかったし〜良いよ〜。」


フードコートは確か2階だった筈。


「それじゃ行くか。」


「ご〜。」





無事フードコートに着いて、席を確保しに歩き回っていた。


「此処空いているから、座るか。」


「いや〜歩き回ったから疲れたよ〜。」


そう言った怠蘭は持っていた荷物を床に置き、机にぐで〜という感じに倒れた。


「5分〜寝るから〜起こしてね〜。」


「分かった。」


いきなりだな。


さて、5分間何しようかな。


手をポケットに入れてスマホを取ろうとした時、例のメガネが出て来た。


「部屋に置いていた筈だったのに何故あるのか・・・・。」


そういえば怠蘭を見た事なかったな。


まぁ、寝てるし・・・・バレないでしょ!というかそう何度も変な生物見ないだろうし・・・・。


そう思いメガネをかけた。


そしたら


目の前には、5mくらいの大きさのカエルみたいな頭を持ち、某ト◯◯みたいに大きな腹を持っている紫色をした何かがいた。


名前は・・・・ツァトゥグァ


ね・・・・寝ている?


よく見ると瞳は閉じており、小さく寝息のようなものも聞こえて来た。


なんか可愛いな。


というかなんで俺の周りには変な奴らしかおらんの?


メガネを一回外し周りを見渡していると何故かこっちを見て怯えている?ような視線をいくつか感じた。


そして、メガネをかけ辺りを見渡すと緑色のスライムようなやつが10体くらいいた。


「何を怖がっているんだろうか?」


・・・・もしかして怠蘭に怯えているのか?


いやありえないか。


そうこうしている内に約束の5分が過ぎていた。


「怠蘭起きろ、5分過ぎたぞ。」


「んうぅ。分かった〜。」


「それじゃ昼飯食べるか。」


「は〜い。」














昼飯を食べ終えた後、フードコートの入り口近くにあった電光掲示板を見ていた。


「次どこ行く?」


「ん〜、健二が〜行きたいところ選んで〜良いよ〜。」


「そうか・・・・それじゃあ久方ぶりにゲーセンでも行ってみるか?」


「良いね〜行こ行こ〜。」




場所は変わってゲーセン内。


「久しぶりに来たけど〜やっぱり〜うるさいねぇ〜。」


「まぁ、そういうもんだから、しょうがないだろ。」


「そうだねぇ〜。それじゃあ〜何するの〜。」


「ん〜、無難にクレーンゲームでもやるか?」


「良いねぇ〜あ、お菓子とか取れたら頂戴〜。」


「分かった、取れたらやるよ。」






「結構取れたな。」


それと4000円ぐらい使ったな。今は達成感と虚無感が一気に襲って来て変な感じになっている。


「そういえば怠蘭はどこ行った?」


辺りを見渡してもいなかった。


「クレーンゲームのエリアにはいなかったからアーケードゲームのエリアにでもいるのかな?」





アーケードゲームエリアの一角にあったパンチングマシンに怠蘭がいた。


「お、いた。」


怠蘭がパンチングマシンやるなんてな。こっそり後ろから見てみるか。


そろそろ始めるみたいだな。まぁ、怠蘭だし350ぐらいじゃない?筐体を見るとプロで500らしいな。


怠蘭はグローブを右手にはめて目の前のサンドバッグ目掛けて拳を振りかぶった。


「あのクソビッチガァ!!!」


バァン!!


・・・・え?クソ?ビッチ?え、あ、ふ〜ん(昇天)・・・・はっ!危ない、昇天するとこだった。


気を取り直して目の前の数字を見ると、


『999』 


カンスト?怖いんだけど・・・・?貴女は本当に人間ですか?・・・・あ、いや人間じゃなかったな。このメガネが本当ならな。


ゲームが終わると怠蘭はこちらに気づいて歩いて来た。


「あ、健二〜グレンゲームは〜終わったの〜?」


「あ、あぁ、終わったぞ。ほれ、言ってお菓子な。」


「おぉ〜ありがとう〜。」


取れたお菓子を怠蘭にあげた。


「もう15時か。そろそろ帰らんと遅くなるな。」


「えぇ〜もっと一緒にいようよ〜。」


「明日の準備とかもあるし、また今度ゆっくり遊ぼうな。」


「約束だよ〜?」


「おう、約束。」













そのまま電車に乗り、俺たちが住む駅に着くと怠蘭と別れた。


歩きながら、今日の電話のことを考えた。


いや〜今日は疲れたな。それにしても短期留学か。もしかしたら修学旅行に行けないかもしれないな。


というかなんで俺が?もっと頭良い奴いるだろ。瑠衣とか特に頭良いしあいつ適任やろ。


色々考えていたら家に到着していた。


「ただいまー。」


特に返事がなかったから多分火燐は買い物かな?


部屋に戻りベットに寝っ転がった。


「夕飯までの時間はまだまだだし、一眠りするか。」


目を瞑ると、段々意識が遠のいていくのが分かった。そして遠くから声が聞こえて来た所で完全に意識が消えた。







「んぁ?」


ふと目が覚め、時計を見ると18時を指していた。


1時間とちょっと寝ていたのか。


未だ寝ぼけている脳みそを無理やり起こして、寝る前の記憶を思い出していた。


「そうだった、夕飯の前に寝んだったな。」


ベットから起き、部屋を出て、一階へ向かった。


ドアを開けて中に入ると、もうすでに料理が完成されていた。


「あ、お兄ちゃん起きたの?」


「ん?あぁ。」


「そっか。もう少しで料理できるから座って待ってね。」


「分かった。」


言われた通りに席に座って待っていると次々と料理が運ばれて来た。


「よし、それじゃ食べようか。」


「「いただきます。」」


やっぱり火燐の料理は美味い。


料理に舌鼓を打っているとふと電話の件を思い出した。


「そういえば火燐。」


「ん?どうしたの?お兄ちゃん?」


「多分来週中に短期留学に行くことになったから。」


「・・・・・・・・えぇー!!!!」


普段あんまり驚かない火燐が珍しく大声をあげ驚いていた。


「ど、どこに行くの!?」


「分からないけどそれも含めて、明日聞いてくる。」


「てことは・・・・長い間お兄ちゃんはいないの?」


「そうなるな。でも安心しろ、1週間に一度は現状報告するから。」


「それじゃ少ないよ!!」


えぇー・・・・少ないか?


「うーむ、じゃあ3日に一度で良いか?」


「ダメ!ちゃんと一日一回報告してね!」


「・・・・分かった。」


そんないつもとは違く騒がしい夕飯を食べ終え、風呂に入って部屋に戻った。


「ふぅー、明日は学校行かなきゃ行けないし早めに寝るか。」


部屋の電気を消して、ベットに寝っ転がった。



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