メガネをかけ、2人目の友人を見る下②

「ハァ、ハァ、ハァ・・・・」


時刻は今8時50分・・・・なんとか予定の10分前には着くことが出来たな・・・あ〜久しぶりにこんな走ったから疲れたな・・・。


「お〜ようやく来たね〜。」


息を整え顔を上げるとそこには怠蘭がいた。


「お前いつから居たの?」


「う〜んと、健二が来る30分前かな〜?」


てことは8時20分には着いていたのか・・・・遅くなって面目ないな。


「遅くなってすまなかった。」


「いやいや〜こっちが〜早く来すぎただけだから〜心配ないよ〜。」


怠蘭は笑って言った。


それなら、そこまで気にしなくていいか。


「分かった。それで、今日は何処に行くんだ?行きたい場所があるって言ってたけど・・・・。」


「うんとね〜行きたい場所はね〜隣町に出来たカフェなんだよね〜。」


カフェか・・・・最近というか生まれて初めて行くな。


「んじゃ早速行くか。」


「それじゃ出〜発。」









電車に揺られながら数分で隣町に着いた。


電車から降りて駅を出て近くのベンチに座った。


「こっから何分ぐらい歩くんだ?」


「え〜っと〜、確か〜5分ぐらいかな〜。」


「分かった、それじゃ行くか。」


「ちょっと待って〜。」


「ん?どうした?」


「はい」


怠蘭は手を差し出してきた。


「道に迷ったら〜いけないでしょ〜?念の為に〜手〜繋いでおこ〜?」


そこまでする必要あるか?というか迷わないよ、隣町なら何回も来たことあるんだから手なんて繋がなくても・・・・あっハイ繋ぎます。


断ったらどうなるかわかるだろうな?的な目で見られたため仕方なく手を繋ぐことにした。


「分かった。手繋ぐか。」


差し出された手を掴んだ。


「それじゃ着いて来てね〜。」


「分かった。」


そのまま怠蘭について行った。







「到着〜。」


「ここが新しく出来たカフェ?」


「そうだよ〜。」


名前がdeus malusなんだけど・・・・確か邪神って意味じゃなかったけ?喫茶店の名前が邪神って・・・・


「それじゃ入るよ〜」


カランカラン


「いらっしゃいませ!何名様ですか?」


「2人です。」


「それではテーブル席にご案内します。」


「・・・・健二は少し〜先に座ってて〜」


「?分かった。」


そういえばあの店員さんなんか見覚えがあるんだよなぁ。













健二を先にいかせ、帰って来た店員に声をかけた。


「なんで〜君がここにいるのかな〜?瑠衣・・・・いや、ニャルラトホテプ」


「なんでって言われてもねぇ、ただのバイトだよ。」


コイツがバイト〜?そんな事やるのか?


「今度の劇でメイドをやる事になったからその練習にな。」


「それじゃあ〜なんで〜ここでバイトしてるの〜?」


「ん?ここのオーナーが私の信者でな。ちょうど良かったからここでバイトする事にしたんだ。それよりも・・・・お前なぜ健二といる?」


瑠衣の眼に少しの殺気を感じた。


「なんでってデートに誘ったからだよ〜。言ってなかったけ〜?」


殺気とは言っても人1人殺すぐらいの殺気しかなかったからあえて挑発するように言った。


「ほう、それは聞いてなかったな。」


あれ?意外にもそれほど効いてない?


「ほれ、早く席に着け。」




















「いや〜ごめんね。少し話し込んじゃって。」


「ん?いやいやメニュー見てたから大丈夫だけど。」


「へ〜色々あるんだねぇ〜。」


そう言って怠蘭は俺の前の席から身を乗り出してメニューを見て来た。


「健二は何にするか決めたの〜?」


「俺か?俺は・・・・このコーヒーゼリーとこのなんかオシャレないちごオレを選ぼうと思ってる。」


「美味しそうじゃん〜。じゃあ私はアップルパイといちごオレにしようかな?」


「いいんじゃないか?それじゃ店員呼ぶぞ。」


ボタンを押して店員を呼んだ。


「ご注文はお決まりですか?」


「えっと・・・・コーヒーゼリー1つとアップルパイ一つ、いちごオレが2つ以上で。」


「このいちごオレカップル専用になっているんですけど・・・・」


「あぁ、そうなんですね。それじゃあk「私達カップルですので〜大丈夫です〜。」


え?・・・・え?


コーヒーに変更しようと思ったら怠蘭に阻止されてしまった。唖然としていると店員さんの持っていたボールペンがベキッと音を立てて真っ二つに割れてしまった。


「あぁ、すいません。それでは注文を繰り返します。」


店員は割れたボールペンを胸ポケットに戻して、新しいポールペンを出した。


「コーヒーゼリーが1つ、アップルパイが1つ、いちごオレが2つでよろしかったでしょうか?」


「はい」


「それでは失礼します。」


店員は厨房に戻って行った。





そこから数分怠蘭と話していると料理が運ばれて来た。


「ご注文の品は以上になります。ごゆっくりしていって下さい。」


「それじゃ食べようか。」


「「いただきます」」


コーヒーゼリーを一口掬って口に運んだ。


この喫茶店のコーヒーゼリー美味いな。甘味と苦味のバランスが丁度良く、上に乗っているホイップがコーヒーゼリーとマッチしている。


いちごオレはイチゴの果肉の粒が大きい・・・後普通に甘いな。これならコーヒーゼリーに合いそうだな。


「ねぇ〜健二〜」


「どうした?」


「一口交換しな〜い?」


「別に良いよ」


そう言って怠蘭にスプーンを差し出した。


「えぇ〜折角だから健二が〜食べさせて〜。」


「普通に恥ずかしいから嫌なんだけど・・・・」


「大丈夫だよ〜。この喫茶店には〜私達しかいないし〜。」


そういう問題じゃないんだよな。精神的にきつい。でもなぁ、そんな期待に満ちた顔されたらやるしかないよなぁ。


「はぁー、分かったやるよ。」


「わ〜い。」


スプーンでコーヒーゼリーを一口掬って怠蘭の口まで運んだ。


「あ〜ん。・・・・このコーヒーゼリー美味しいね〜。」


「それは良かった。」


「それじゃあ〜次はこっちのアップルパイを一口あげよう〜。」


きられたアップルパイをフォークで刺して、こちらに近づけて来た。


「いや俺はい「あ〜ん」だから、俺はi「あ〜ん。」・・・・分かった、やれば良いんだろ?」


口を開けてアップルパイが来るのを待った。


「あ〜ん。」


パン生地がちゃんとカリカリしていて、中のリンゴも美味いな。


「こっちも美味いな。」


「良かった〜。」







そこから世間話をしながら料理を食べ終えた。


「ちょっと私〜おトイレ〜行ってくるね〜。」


「あぁいってら。」


怠蘭は席を立ってトイレに向かって行った。


・・・・それにしてもやっぱあの店員見たことあるような気がするんだよなぁ。まぁいっか。


怠蘭が来る前に会計を済ませておくか。


持って来た鞄から財布を取り出そうとした。


「ん?なんで眼鏡がここにあるんだ?置いて来たはずだよな?」


なんかちょっと全体的に赤くなっているんだけど・・・・


「まぁ、後で考えておくか。」


それよりも会計を済まそう。


席を立ってレジまで行き会計を終えた。



数分が経ち、怠蘭が帰って来た。


「お待たせ〜。」


「おう来たか、会計は済ませたから出るぞ。」


「そうなの〜?ありがとね〜。」


そして、俺たち2人は喫茶店を出た。






























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