メガネをかけ、2人目の友人を見る上
「さて、家に帰って来れた事だし早速ゲームでもするか。」
そして、自分の部屋の勉強机に充電したまま置いてあったゲーム機の方へ向かって歩いて行った。
充電器からゲームを外しベットに寝っ転がりさぁやるぞ!っと思った瞬間に電話がかかってきた。
そこには西園寺怠蘭と書かれていた。
「今授業中だったような?一体何の連絡だ?」
訝しみながら電話に出た。
『もしもし〜。今元気〜?』
「元気だけど一体どうしたんだ?今授業中だったよな?」
コイツは西園寺怠蘭。クラスは別だけど仲は良い。何をやるにも遅く、学年では怠惰の神と言われている。いつも寝坊して2時間目ぐらいから登校している。
『ん〜?面白くないから抜けた〜。』
抜けたって・・・先生可哀想すぎだろ。
「先生には何て言って抜けたんだ?」
まぁ、腹が痛いとか頭痛いとかだろ。
『たしか〜、"先生の授業つまらないので〜自習室で勉強してきま〜す"だったような〜。」
泣いてるぞ先生。教室の隅でうずくまって"どうせ私なんて"とか、言ってんだろ。知らんけど。
「じゃあ、今は自習室にいるんだな?」
『うん。そだよ〜。』
「で?何で電話してきた?」
1番聞きたかった事を怠蘭に聞いた。
『暇だったから声をかけたの〜。』
暇だったから!?・・・・え?そんな理由なのかよ。
「はぁ。ったく、そんな理由かよ。」
『これが私だからね〜。しょうがないよ〜。』
くっ!コイツの笑っている顔が目に浮かんできやがる・・・・!
「じゃあ俺、今からゲームするから電話終わるな。」
そう言って通話を終わろうとした。
『えぇ〜もっと話そうよ〜。』
「これ以上話のネタもないだろ。」
『ん〜?あるよ。君が帰った後の事とか〜。』
俺が帰った後?何にもないだろ。
「俺が帰った所でなにが変わるんだよ。」
『ん〜とね〜。』
怠蘭は嬉しそうな声で言った。
『瑠衣がね〜ずっ〜と不機嫌だったんだよ〜。』
「瑠衣が?・・・それは一体どうして?」
アイツ一応表面上は優しいはず。
『ん〜。私にも〜よく分からないんだよね〜。話しかけてきた男子に〜ずっ〜と侮蔑の視線を向けていたんだよね〜。』
「侮蔑て・・・・どうしたんだろうなアイツ。」
『多分〜健二が〜帰ったのが関係あるんじゃな〜い?』
「俺が帰ったのが・・・・?」
「・・・・分からん!」
いくら考えても分からないので考えるのをやめた。
『そうだよね〜。まぁ〜瑠衣の事だし〜大丈夫でしょ〜。』
まぁアイツだしな。気にしなくて良いだろう。
『それよりさ〜明日って暇〜?』
「暇だけど、何でそんなこと聞くんだ?」
『ちょっと〜行きたい場所があるから〜一緒に行かない〜?』
まぁ、明日は何もないし良いだろう。
「あぁ、良いよ。それで何時にどこで集合するんだ?」
『やった。それじゃあ〜午前9:00に〜駅前で集合ね〜。』
「分かった。それじゃまた明日な。」
『うん〜。分かった〜また明日〜。』
怠蘭との通話を終えた。
そして通話を終えた頃に玄関のドアが開いた音が聞こえた。
「ただいまー!」
「おかえり。」
妹の火燐が帰ってきた。
「もうそんな時間か。怠蘭とも長電話しすぎたかな?」
時計を見たらまだ午後15時だった。
「あれ?アイツ部活どうした?」
そんな疑問を抱いているとしたから階段を駆け上がる音が聞こえた。
「何だ?何か焦っているのか?」
いきなり部屋のドアがバァンッ!という音を立てた。
「お兄ちゃん!今日学校早退したんでしょ!だったら私にも連絡してよ!」
「いや、連絡手段ないでしょ。それに、中学ってスマホ持ち込み禁止でしょ?あと部活どうした。」
「今年から校則が変わって連絡のためなら持ってて良いことになったの!この前言ったでしょ!部活は今日はないって言ったでしょ。」
はえー、今の中学校はスマホの持ち込み良いんだ。時代は進化するんだなぁ。部活なかったんや。珍しいな。
「ていうか、どこから聞いたの?俺が早退したこと。」
「私の友達に双子の子がいるでしょ?あの子達から聞いたの。」
「双子って・・・・あぁ!あの子達か。・・・え?なんで早退したってあの子達が知ってんの?」
「あの子たち、今日早退して帰る途中にお兄ちゃんを見つけたからって連絡くれたんだよ。」
「はえー、そうなんや。」
どこにいたんだろうか?というか早退って普通片方だけじゃないのか?双子一緒ってなんかあったのかな?
「それじゃ、次からはちゃんと私に言ってね!」
「分かった。・・・・あ、そういえば明日友達と遊んでくるから昼はいらないからな。」
「へー、そうなんだ・・・・ちなみに誰と?」
「えっと怠蘭って言う人いたじゃん?あの人と遊んでくる。」
「あぁ、あのヒトね。・・・だったら大丈夫かな?」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん!なにも!それじゃ、楽しんできてね!」
そう言って火燐は部屋の外へ出た。
廊下で1人ポツンと佇みながら火燐はつぶやいた。
「そろそろお兄ちゃん襲っても良いかなぁ。」
このままじゃアイツら他の神格共に遅れをとるかもしれないし、そろそろ本格的に動こうかなぁ?でも、もうちょっと今のお兄ちゃんを見てみたいな。
・・・・まだ動かなくて良いか。他の神格が本格的に動きだしたら止めれば良いだけだし。
そして彼女は今日の夕飯のために買い出しに行こうとした。
「そういえばお兄ちゃん。帰ったのは昼前だったよね?・・・・お昼どうしたんだろう?」
まさか他の女の所に行ったとか?
そう考えた途端、彼女の体からオーラが出始め、ツインテールを抑えていたヘアゴムはそのオーラによって形が跡形もなく溶けて消えてしまった。
「あ!いけない!ここ一帯火事にするとこだった。」
やっぱりこの体だと力の加減しにくいなぁ。でも、お兄ちゃんに直接触れられるのにこの体が最適だから、頑張って慣れないと。
彼女はそう決心して家から出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます