メガネをかけ、校長先生を見る

教室に行き、カバンを持った。

 

「一応、瑠衣に連絡するか。」

 

カバンからスマホを取り出し、瑠衣のメールに帰る旨を書いて送った。

 

「さて帰るか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正門から外に出て家に帰って行った。

 

しかし、ある人に呼び止められた。

 

「あら?まだ学校の時間ですよ?何をしているんですか?」

 

「校長先生。実はちょっと頭が痛くて治ったんですけど大事をとって早退する所です。」

 

この人は校長先生で名前は柿崎白露と言う。目が見えないらしく目を閉じている。なんか、目を開けると恐ろしいことが起きるとか言われている。そんな訳ないだろうけど。

 

「そうでしたか。・・・・ということは暇なんですね?」

 

「直球に言ってしまえばそうですね。」

 

「でしたら、少し手伝ってくれませんか?」

 

うーん。帰ってもゲームをする以外にないし、手伝ってもいいかな?

 

「いいですよ。」

 

校長先生は嬉しそうに

 

「ありがとうございます!・・・それでは、付いてきてください。」

 

校長先生について行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは・・・・花壇ですか?」

 

「えぇ、そうです。」

 

そういえば、花壇を作ったみたいな情報があったな。

 

「ここで何をするんですか?」

 

「ちょっと雑草を抜くのを協力して欲しいんです。私は目が見えないですから、間違って花を抜いてしまう可能性がありますから。」

 

それぐらいだったらすぐ終わるだろう。

 

「えぇ、分かりました。」

 

「それでは、お願いしますね。」

 

そこから黙々と雑草を抜いていった。

 

ある程度終わった所に校長先生が飲み物持ってやって来た。

 

「お疲れ様です。これ良かったらどうぞ。」

 

持っていた飲み物を差し出された。

 

「ありがとうございます。」

 

飲み物を受け取り、その場に座った。

 

缶ジュースを開けた。

 

それを一気に飲むと身体に冷たい感覚が行き渡った。

 

そういえばメガネあったよな。校長先生は目が見えないらしいから見てもバレないよな。

 

ポケットからメガネを取り出し、校長先生を見てみた。

 

すると、

 

胎児のように眠っているモノが収縮と膨張を繰り返していた。すると、何処からか音楽のようなものが聞こえている気がした。まるで赤子を寝かしつけているような音楽だった?

 

そして、今までとは違う明らかな"格"の違いを肌で感じた。

 

名前は・・・・アザトース

 

でも、そこまで怖いとは感じなかった。何故かは分からなかったが。

 

ボーッとしてると声をかけられた。

 

「さて、そろそろ始めましょうか。」

 

その声で意識が覚醒した。

 

「分かりました。」

 

その後15分くらい草むしりをした。

 

雑草がなくなった花壇を見て校長先生に声をかけた。

 

「綺麗になりました。」

 

「分かりました。今日は手伝っていただきありがとうございます。それでは、これを受け取ってください。」

 

「これは?」

 

そう言ってお守りを渡された。

 

「貴方には少々良くないもの(他の雌共)が取り憑いていますから、気休めにと。」

 

「ありがとうございます。」

 

なんか笑顔が少し怖いような気がするな。

 

「それでは気をつけてお帰りください。」

 

「はい、分かりました。」

 

そう言い、校長先生に手を振りながら家に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、今からあの副王とティンダロスの王を止めますか。」

 

流石にこれ以上はこの地球にまで影響しますからね。

 

「さて、誰に頼みましょうか?」

 

一番暇であいつらと対等に渡り合うほどの力を持っている奴は・・・・ニャルとツァトグアぐらいでしょうか?

 

「しかし、ツァトグアは滅多に力を振るわないですし。」

 

うーん。どうしましょうか?

 

ニャルは、"最近忙しいから呼ぶな"と生意気なことを言っていましたし。

 

・・・・確かツァトグアも健二とは面識があったはずです。それをダシにして呼びましょうか。

 

「そうと決まれば善は急げです。」

 

早くこんな無駄なことを終わらして健二の事をあのお守りから監視しましょうかね。

 

盲目白痴の神は微笑んだ。矮小なる1人の人間に重い愛を抱えながら。

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