メガネをかけ、保健室の先生を見る

宇水先生から日誌を受け取り自分の教室に戻った。

 

ドマを開けて自分の席に戻った。

 

「はぁ、疲れた。」

 

職員室まで遠すぎだろ。もうちょっと短くしてくれよ。

 

休んでいたら横から瑠衣に声をかけられた。

 

「ねぇ、アイツになんかされなかったかい?」

 

「なんかって・・・・特に何もなかったよ。」

 

というかコイツどうした?前からおかしいと思っていたけど、今日は特におかしいな。

 

「それならよかった。1時間目は数学Ⅱだよ。早く行こう。」

 

「分かった分かった。準備するから待ってろよ。」

 

後ろのロッカーを開け、数学Ⅱの教科書を出した。

 

「それじゃ行くよ。」

 

「分かった。」

 

そう言って、教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間目の授業が無事に終わり、次の授業が始まる前に異変が起きた。

 

 

「頭がイテェ。」

 

何でだ?これじゃ授業出れねぇ。

 

とりあえず瑠衣に言っとくか。

 

「なぁ、瑠衣。」

 

「どうしたの?・・・・てか、めっちゃ顔悪いじゃん!」

 

「頭痛くてな。少し保健室で休んでくる。」

 

「そう。じゃあ、先生には私から言っとくから、休んできて良いよ。」

 

「ありがとな。」

 

こういう時友達いると楽だよなぁ。

 

「あの邪神何かしやがったな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、階段がきつかった・・・・」

 

でもやっと保健室に着いた。

 

「失礼します。」

 

「いらっしゃい。・・・・って顔色悪いじゃない。大丈夫?」

 

「大丈夫じゃないですね。」

 

この人は保健室の先生で名前は、空崎初香。なんか学生に厳しく、陰ではこの学校で一番厳しい先生と言われている。優しいと思うけどなぁ。一部の男子生徒には好かれているらしい。

 

「じゃあ、少し休んでいきなさい。」

 

「ありがとうございます。」

 

そう言ってベットに寝っ転がった。

 

「じゃあこれ、氷枕。頭につけて冷やしときなさい。」

 

「ありがとうございます。」

 

少しは楽になったな。

 

そうだ。保健室の先生も見てみよう。なんか頭痛いせいでまともな判断が出来なくなってるかもしれないな。

 

こっそりメガネをかけ、初香先生を見てみた。

 

そこには玉虫色の球体が離れたり、くっついたりと動いていた。

 

名前は・・・・ヨグ=ソトース

 

綺麗だ、率直にそう思った。

 

そうして見ていると、いきなりメガネを外された。

 

「全く、頭痛いんだったら寝なさい。」

 

そして、メガネを枕元に置いてくれた。

 

「分かりました。」

 

そう言いながら私の頭を撫で続けた。

 

「あの・・・・初香先生。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「いつまで撫で続けるつもりなんですか?」

 

子供じゃないってのに。

 

「んーと、貴方が寝るまでかな?」

 

こりゃ何を言ってもダメだな

 

そう思い、息を吐いて、目を瞑った。

 

今はいい夢を見れそうだな。

 

寝る前に声が聞こえてきた。

 

「ふふっ。貴方は私の愛しの夫になるんだから。頭痛なんかに負けちゃダメよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝たようだね。」

 

頭を撫でながら、健二が寝たのを確認した。

 

「さて、この催眠擬きをしたクトゥルフをどうしてやろうかしら。」

 

全く、私のモノに手を出そうなんて。

 

「でも、私の血でも飲ませれば頭痛も止まるし並大抵の邪神を見ても発狂はしないでしょう。」

 

そう言って、自分の血と薬を混ぜた。

 

「さて、私は少し用事があるから席を外そうかしら。」

 

立ち上がって、健二の額にキスをした。

 

「そうだ、もし私がくる前に起きた時のために手紙を書いとかないと。」

 

再び席に座り、手紙を書き残した。

 

「それじゃあね。」

 

寝ている健二を見ながら、保健室を出た。

 

 

副王は愛しんだ。最愛の夫に成る予定の人を。それが歪んだ愛とも知らずに。

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