8月32日、居なくなった君へ。

<3

8月31日

「このポテチ、畳の味する」


コンビニで新発売のポテトチップスを見つける度に君が言った事が嫌でも鮮明に思い描く。いつも急なことを言い出す君がどうしようもなくおかしかった。でも、そんな君が好きだった。


「ああ、だめだなぁ」


新発売のポテチを買って逃げるようにコンビニから出た。

開けた瞬間にいい匂いが部屋に充満して、1口。


「畳の味なんて、しねーよ」


部屋に充満した匂いを消すかのように長くて、想いため息をして言葉を吐いた。

その匂いは、甘くて苦くて、恋を表すにはありきたりすぎる匂いだった。

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