第2話 ナナフシ
ナナフシ…
突然の昆虫。
「しってるー!スーパーもうすぐできるよね!」
それ…
ナナフレッシュだったような…
「てか脳内の神経細胞関連の何かでしょ?」
珍しく頭良さそうな感じ出た…
脳内にナナフシっていうのが有るんだ…
「えースイーツじゃん?フィナフシ」
え?
フィナフシ?
え?
え?
いったいなんの話なのだろう…
昆虫は全く出て来ない。
ナナフシっていう昆虫いなかったっけ…?
佐々倉は、ナナフシと言った様に聞こえたけれど…
フィナフシ…
「ギャハハハハまじうけるんですけどー!てか全然違うしー!」
佐々倉が手を叩いて爆笑している。
やっぱり昆虫の話だろ?
「音楽室のベートーベンがー!ストパーのロン毛で出てくるやつとかー!実験室の人形とかのやつだしー!」
は?
「あーそっちね!」
は?
ストパー…
ロン毛のベートーベン…
なんかもう帰りたい。
頭が痛い。
でも、もう少しここで時間を潰さなければならない。
他の生徒は殆ど帰ってしまった。
G4も早よ帰れと思うけれど、教室で1人になるのは怖かった。
居て欲しい様な、居なくていい様な…
「てか学校のナナフシあと1個なに!?」
学校のナナフシ…
学校の!
ナナフシギ!
あー!
というか七不思議なら、あと5個有るのでは…
「あと1個はねー!」
細かい事はスルーして、G4の会話は進んで行く。
「教室の角から4人同時に走るとー!家に帰れるってやつー!」
「なんじゃそれー!」
「ありえんしー!」
「ちょーうけるー!」
ギャハギャハギャルギャハ…
あー…
その話なら聞いたことがあった。
教室の四隅に立った4人が、時計と反対回りに全力で走って、4人の速さが揃った時に消えてしまうという…
佐々倉もよっぽどダルいのだろう。
消えてしまうという所を、家に帰る事が出来るなんて都合よく変えている。
「てか行くー!?」
「オッケー!」
「まじむりー何か食べないとむりなんだけどー」
「あーアメあったー!ボンちゃんいくよー!」
藤宮が白目をむくボン子に、ふんわりアメを放った。
キャッチ出来ずにアメは床に落ちたけれど、凄い勢いでシュバッと掬い上げた。
そんなに慌てなくても誰も取りませんから。
ボン子は力強く袋を破って、ポコッと口に放り込んだ。
カラカラと口の中で転がしながら、ゆっくりと教室の隅に向かって行く…
え?
学年成績トップクラス。
アホ満開のギャル4人組。
G4が、教室の四隅に各々スタンバった。
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