第四十五話 祟り
黒炎の竜は
「
左手に何枚もの
「あれは……分からぬ。だが、」
弱々しい返答を耳に入れつつ、ゲンタは
「
「ふざけるな! 分からないってなんだよ! あれはあんたたちが拝んでたんだろ!」
「まあ、待て……待ってください。ふぅ……話は最後まで聞くものです」
「……」
「確かに私と
「
「
「随分と都合のいいことだな。止めなければどうなる?」
「津波、洪水、蝗害、長雨、日照りに飢饉。あらゆる災害がこの島を襲い、そう遠くない未来に
「……分かった。
「のみましょう」
直後、結界が
白い
「カヤ!」
「分かった!」
ゲンタがカヤに声をかければ、彼女はすぐに口の力を使う。
「
役目を終えた
それでも、
手始めに
両手で握る太刀は、すでに青白い炎を纏っている。
走り抜けざまの一閃。
しかし、太刀は
この手はゲンタのものか
矢継ぎ早の攻撃に、早くも見ているだけとなったカヤは勝ったと思った。しかし、悠久とも言える時間、人々の願いを向けられた神の力の、その一端が、これで終わるわけもない。
振り向きざま、
そうとなれば、すかさず
正面からの斬りつけは剣で軽々といなされ、背後からの攻撃や、死角からの〝鬼の手〟も届かない。さりとて、
しかしそれは、
では、若者二人にだけ戦わせておいて、彼はいったい何をしていたのだろうか。
青白い閃光が飛び交う光景を前に、彼はまず
目鼻立ちのはっきりしたその顔は、女性と見まごうようなきめの細かい肌で、その額には大きな
その端麗な顔で、彼は一心不乱に印を結び、そして最後に口にした。
「いと
それは、完全に
けれどどうだ。光が収束した後も
「
そうなれば
死は己か父か、どちらに向かうのか。
父殺しを為すのか、子殺しを為さしめるのか。
武器を握る手にも自然と力が入り、冷たい汗が二人の背をつたう。
この広い空間で、
ゲンタが〝鬼の手〟で殴り、宝剣で斬りかかる。
しかし、その
カヤは遠目に見ているだけで、何もできなかった。
ざあん、ざあんとどこかで波の音が鳴っていて、ただ何かが飛び込んできたときのことを思い出しては、心の中で語りかけ、涙を流していた。
アタシが絶対に終わらせるからと。
突如、ホーと高い音が飛んでいく。
その音に
しかし、その高い音は
今度は
そこに在ったのは、特徴的な二股の
そして、聞き慣れた声が聞こえてきた。
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