第四十話 出立
結局その会議では何も決まらなかった。
大久保
これまで通り
討伐にあたる人員についても、大久保から旗本一〇〇騎ほどを出す提案はあったものの、
もちろん、
曰く、この島では文明が発展しないと。
元々
だから
挙句の果ては、完成品をこの島に持ち込むと途端に動かなくなるのだという。
しかし、と大久保が前置きをした。
「しかし、五〇年ほど前までは、大陸の技術を取り入れることに成功しておりますゆえ、なぜ今はできないのかと不思議なところでしてな」
結局のところ、
分からないままに、
討ち取るしかないのだ。
得体の知れぬ結界を利用することなど考えずに。
何も語らなかった
* * *
「今朝方、手の者より報告があった。欠け面の男ともう一人の男が
「いえ、特には」
大久保の質問に否と答えたゲンタが横を見ても、カヤも首を横に振るだけだった。
「
しかし、ゲンタがそう答えた横で、
本丸御殿の一室とは言え、大広間の四分の一ほどの広さしかないこの松の間では、それは大久保の耳にもよく届いた。もっとも、本来であれば七人でも広すぎるこの部屋も、とある理由で狭く感じるのだが。
「
「……
「
「そこへ行った可能性が高いとお考えか」
「はい。私もすっかり忘れておりましたが、子どもの時分に連れて行ってもらったおりには、大事なものを封じていると父に聞かされたことがあります」
「ふむ、
「……
「
「……以前から違和を感じていたのですが、
一〇〇年もの長きに亘って争ってきた敵国の戦力がいるのだ。
だのに、
「それは……」
言い淀む大久保は
そうであれば
「どのような理由であれ、格別のご配慮を頂き感謝いたします。しかし、
「余はまだ戻れぬ」
「承知しました。
「うむ。任せたぞ」
恐らくこれが本来の
しかし、それはそれ、これはこれ、である。
そうであれば、なぜ、と恐らく
しかし、カヤはそうは思っていないだろう。朝廷が嫌いだから、自分を、自分たちを都合よく利用しようとする人間が嫌いだから。そういう意味では、
「では、出立は――」
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