第七章 噤呪の巫女
第三十九話 覚悟
「父上!」
声の波が消えた静かな森。
「おいおいおいおい、いったいぜんたいどうなっているっていうんだ、こりゃあ」
「
「何も聞いてませんよ、そんなこと。
「くそ!」
「追わないの?」
だから、カヤが
「カヤ様の言う通りです。ここは追いかけましょう」
しかし、
「ところで、どうやって追いかけるんだ? 誰かあの二人の髪の毛でも爪でも持ってないのか?」
「……誰も、持っていないようですね」
「そもそも、どうやってこの森から出ればいいのでしょう? 僕は道を覚えてませんよ」
「
「お前さんとしたことが、随分と狼狽しているじゃないか。だが、落ち着いて考えればすぐわかる。鳥の式神を飛ばし、その目を使って宿場を探せばいい」
「あ」
「式神を四方……いや、三方に飛ばして父上たちを探しましょう。そうすればいかに広い森といえど、見つけられるやも知れません」
「ほう、それはいい。早速やってみよう」
そうしてゲンタも交え、陰鬱な森の中へ式神を飛ばしたが、結局、
* * *
「一同、ご苦労であった。
ここは
前回よりも
「そちらのご助力にも関わらず、期待に応えられなかったこと、誠に申し訳なく」
大久保
同様に
「構いませぬ。まだ、わが国には実害がない。或いは少しは被害があるのやも知れぬが、目に見えるものはなく、
大久保の口から出るのも、やはり
「このまま戻ってこなければ、探して問い
「
「……父が
「うむ。それならば良い。こちらも十分に援助すると約束しよう」
「しかし、
意見がまとまりかけてきたところに、突拍子もない話をぶつけたのは佐々木
「争乱が必要だと言っている以上、偽物の
「そして奴の狙いは結界完成だけじゃなく、カヤを帝なり王なりに据えて、裏で操りたいってことだろう。そうであるなら、やはり結界完成前に悪用しそうな人間は始末するに限る」
「
「そうであれば、
そこへ咳払いが一つ、流れた。
大久保のものではなく、ゲンタのものだった。
「お二人とも、
「いや、ゲンタ。それじゃ覚悟ができない。お前が言いたいことは分かるが、覚悟ができないまま親殺しをさせるというのは、人の道から外れるじゃないかと俺は思うし、何よりもやらねばならぬとなったときに迷いが出る」
だから、カヤは言った。
「大丈夫よ。もしあなたの父ちゃんがあんな奴と手を組んでいたら、あたしがしっかり殺してあげるから」
場を和ませるために冗談で言っているのかと思ったが、顔を見れば真剣そのもので、ゲンタは眉を
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