第六章 御神木
第三十五話 再会
「
「いやじゃ」
「ところで、
「
「
「ああ、本当だ」
ゲンタは、
カヤも健脚ではあるが、行きと帰りで八日間ほぼ毎日歩き通しでは流石にこたえたのか、
そうしてゲンタが案内されるまま、本丸御殿の大広間に通されると、そこで待っていたのは、どこかで見た面々による会議であった。
「戻りましてございます」
ゲンタが挨拶をすると、皆一斉に彼の方へ顔を向ける。その表情は様々だ。
「おう、ゲンタ、帰ったか!
大久保
佐々木
彼ら天球と
このような状況であるから、どこに座ればいいのかと大久保を見遣れば、彼は閉じた扇の
「
座りしな、ぼそりとゲンタが言えば、
その上でゲンタは上段の間に顔と体を向け、
得体の知れない結界の話と、更なる争乱を望むことがゲンタの口から出ると、その場にいた者たちの表情は、当然の如くいっそう厳しいものとなる。
そうなれば出る意見の
「ときに大久保殿」
「いかがした?」
話し合いが落ち着けば、ゲンタはこの場の疑問を遠慮なく口に出す。
「なぜ、この場に
「ふむ」
大久保は少し黙して、
「我らが呼んだのだ」
「力不足だということでしょうか?」
「それもあるが、一つは我が君が
大久保の返答にゲンタは目を見開いて驚いた。陰陽師がいないというのに、
「ゲンタ殿、何を驚いておるのだ? このようなことは常識であろう。神もまた同様であると」
「それゆえに
「その通り。ゆえに
「大久保殿、
ゲンタが疑問を口にした途端、佐々木
「いや、辺地の集落では変化したものがあったな」
その答えに佐々木
「大久保殿、ゲンタ殿、そのお話を小生にもっと詳しくお聞かせください」
話し合いは結局、
そうであるから、カヤが布団も掛けずに大の字で眠りこけていることにも気が付かず、大久保の別宅にゲンタが戻ったときには、彼女はもうすっかり風邪をひいてしまっていた。
* * *
翌朝、余程具合が悪いのか、カヤはうなされながら起きた。かけた覚えのない布団から這うようにして出て、土間の方へと視線を向ける。
視界はどうもぼやけているが、美味しそうな匂いが土間から漂ってきていることは分かった。
そのままぼーっとしていると、ゲンタと思しき影が匂いとともに近づいてくる。
間近まで来たことで、カヤはようやくゲンタの顔がはっきりと見え、そして彼が目の前に置いた
「カヤ、熱いからよくふーふーして食べるんだぞ」
「あり……がと。……ふー、ふー」
箸で麺を掴み上げれば、たちどころに湯気と汁の匂いが辺りに漂う。
それに四回、五回と念入りに息を吹きかけ、カヤは口に運びこんだ。
味はほとんど分からないが、先日食べたときにはほとんど入っていなかった
「うまいか?」
「うん……あの、ごめんね」
「何がだ?」
「今日からまた捜索に行くのに、私が邪魔しちゃって」
「問題ない。
「
「
「ふーん……どうして?」
「うん?」
「どうしてそんなに偉い人が来たのかな?」
「そうだな。
ずっと歩き通しだったためか、疲労がかなり蓄積されていたようで、カヤの風邪は治るまでに三日を要し、本調子に戻るまでには更に三日が必要だった。
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