第5話 実習農地

イブキは、他のクラスメイトと一緒に実習農地にやって来た。


「全員いるか?」


「全員、揃っていま~す」


「良し、今日は、前に言った通り、本日は、9マス耕し訓練を行う、

使用する鍬は、この古い鍬だ、お前達は、この時間で、

マスターしてもらう、やり方は、まず正方形の9マスをイメージする、

そして、イメージしたまま、鍬を振り上げる、

すると、鍬の落下予定地に範囲マップが出る、

そのままの状態で鍬を降ろし、4回、振り上げ、振り下ろしを繰り返すだけだ、

注意事項として、体力の低下には、気をつけるように以上で、

説明は以上だ、出席番号順に、4人ずつの横一列に並んで、

一人連続3回成功するまで、交代はしない、もしくは、体力が尽きる寸前の者がいた場合は、交代を認める、では、始め」


講師の農王の号令で、一斉に始める農業総合科のクラス一同、

なかなか順調にカリキュラムをこなして行く生徒は、イブキ以外居なかった。


その為、イブキは、講師の農王に頼まれて、

進行の遅い生徒にアドバイスをしていたのだった、

そのおかげで、誰一人取得漏れをすることなく、クラス全員、このスキルを取得出来たのだった。


「良し、全員、取得出来たな、後日、テストを実施するから、忘れないように、

本日の実習は、ここまで、教室に戻って昼食と昼休みだ、

5時間目は、農業経営マネージメント科との合同実習だから、楽しみにしとけよ、

ペアは、向こうが、決めるから、拒否しないように、以上、解散」


「ありがとう御座いました」


講師の農王の号令で、3時間の実習を終えて、

ヘトヘトで教室に戻るクラス一同の中、

ただ一人、体力が有り余っている生徒がいた。


「イブキ君、何で?そんなに平気なの?」


「今日の実習は、ラクだったよ?」


「何で?イブキ君、お家でも、やっているでしょう?絶対」


雑談をしながら、実習農地から教室に移動していた。


複数の生徒が、イブキ以外苦戦した、今日の実習、その生徒達の読みは。当たっていた、イブキは、自宅の庭に家庭菜園を作っているのだ、

その為、他の生徒よりも、慣れていたのだった。


「オレ、家庭菜園を作っているから、多分そのおかげだと思うよ」


イブキの発言に納得するクラス一同。


「それより、5時間目は、農業経営マネージメント科との合同実習だよ、

皆は、何か、考えているの?」


「う~ん、今回のテーマが、まだ、発表になって無いから決めようが無いよ」


教室に戻り、クラスの話題は、5時間目の農業経営マネージメント科との合同実習で持ちきりだった。

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