第49話 イースト菌

雄一は物を作る喜びを改めて感じた。今は玉子焼きだが次に挑戦しようとした。それはパンを作る事だ。小麦粉は沢山あるし保存日数から先に使わないといけない。その小麦粉が無くなる前に、この江戸で探さなければならない。あとは木綿屋に調達させ職人を雇い小麦粉を作らせれば良い。

小麦粉は貸し倉庫から持ってくるとして、イースト菌もあるのでこれでなんとかなるだろう。いずれその菌も作らなくてはならない。雄一は宗右衛門に聞いて見た。

「ご主人、これは酵母と言ってパンを作るに必要なものです。この酵母も間もなく、なくなります。そこでこれを増やし方法を教えますので作ってくれますか」

「増やし事も出来るのですか、それなら是非教えてください。作らせますから」

これでイースト菌の心配もなくなりそうだ。

パン作りには、まず小麦粉に水を入れて練り、イースト菌を入れれば膨らんでくれる。しかしパン造りに必要なパンを焼く機械がない。其処で雄一は製作所から鉄板を加工して釜のような物を作り周りに電気コイル貼り付けた。つまり大きナオーブントースターだ。これでパンを焼けるし、ピザだって焼けるはず。


勿論、何度か調整が必要だった。やっとそれらしき物が出来上がった。次はパン造りだ。小麦粉を入れお湯を加え温度調整してイースト菌を入れ発酵されば出来る筈だ。処が失敗の連続だった。それから一週間試行錯誤の末なんとか成功した。牛乳とイートス菌があればいずれヨーグルも作れる。

ただ厄介なのは牛乳だ。この時代に信長を除き牛乳を飲んだ話は聞いた事がない。そこで木綿屋に牛乳という物を知っているかと聞いてみた。

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