第48話 過去に来て二ヶ月
宗右衛門は大喜びだ。まさか本業の味噌醤油よりも売れるとは思わなかった。今や雄一は宝だ。いつもでもいて欲しいと願った。流石は未來から来た人物、発想が違う。油を使った料理この時代馴染みがなく油は灯りに用得るものと決め込んでいた。こうなれば油も大量に仕入れることにした。しかしこの当時は高くて粗悪品が多い、いずれ改良して料理に使える油を作るしかない。雄一はあの貸倉庫に少量だが眠っているのを思い出した。他にも砂糖、醤油、塩、小麦粉、片栗粉などある。この中で一番先に悪くなるのは小麦粉だ。いくら空調の効いた倉庫でも五年もしたら質が悪くなる。その点、食用油は十年でも大丈夫だろう。長持ちしないものから使って行くしかない。
木綿屋に来てから雄一は、やがて二ヶ月が過ぎていた。寂しさも木綿屋の人達と付き合うようになり人恋しさは幾分和らいでいた。どんなに平成の時代に戻りたくても、努力でなんとかなるものじゃない。もはや神の御心のままに、成るようにしかならない。そう決め込むしかなかった。
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