第45話 動く鉄の小屋は怖い

雄一は何も怖くないと説明したが誰も納得できない。宗右衛門一家からみれば。まるで怪物が現れた気分だろう。雄一は落ち着かせるに苦労した。この車は私の思う通り動くので皆さんに危害を加えることはないと説明した。それでも不安なのか、なかなか車に寄り付こうとしない。仕方なく雄一は一人で荷物を運んだ。

恐る恐る彼等は庭に置かれたランドクルーザーから持って来た荷物を運んで貰った。

ダンボールに入れてあるので中身までは分らない。そのダンボールでさえ誰も見た事がないのだ。紙なのに厚く箱の代わりになる便利なものだ。全てが未来の物なのだ。怖い物を見るように車の側には寄ってこなかった。

それだけ異様な生き物に思えたのかも知れない。持って来たのは証明器具一式に料理を作るに使う材料と器具。これもまたこの時代には存在しない物ばかりだ。フライパン、材料を入れるボール、プラスチック製のヘラ、スプーン、プラチック容器など沢山持ってきた。車用の予備バッテリーを充電して持ってきた。電気スタンドを灯しくらいなら充分だ。


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