第23話 商人との出会い

 男は少し驚き、雄一を上から下までジロジロと不思議そうな顔で眺めた。

大男に身なりがジーパンとポロシャツでは驚くだろう。

「あんた……お侍さん? それとも異人さんかね」

「いや少し訳がありこんな格好していますが。実は食べ物を分けて貰いたくて来たのですが」

「食べ物? あんた何処から来たんだね」

「それが……なんと言っていいか。決して怪しい者じゃないんです。それと色々と教えて欲しいことが」


「何か仔細がありそうだが。まぁいい、私のとこの家に来て話でも聞こうか、大豆の買い付けも終わったことだし」

「そうですか。それはありがたい。是非お願いします」

 この男は警戒心を持ってないようだ。一人で歩いて来たのだから心配してないようだ。見たからに商人なのだろうか侍でなくて良かった。

雄一はホッとした。また騒がれては慌てて逃げなくてはならなくなる。

肩には大きめなショルダーバックを持ち歩いている。その中に銃身を短くした改造銃を入れてある。その他に飲み物と缶詰に使い捨てライターなど小物を入れてある。

第一関門はなんとか切り抜けた。見た感じは町人風だが、それとも何処かの若旦那風にも見える。後の二人は手代(使用人)かも知れない。


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