第20話 二度目のタイムスリップ?

そして目が眩むような強烈な閃光が走る。とても目を開けていられないような強烈な光が敷地一面に放たれた。またしても雄一は気を失ったようだ。まったくあの時と同じだ。

雄一は目が覚めた。まだ目がチカチカして頭が朦朧としている。

目を擦って周りを見渡した。もしかしたら現代に戻ったのかも知れない。

平成の時代に戻ってくれと願った。だが門の外からは物音さえ聞こえない。雄一は警戒しながら扉の隙間を見た。誰も居ない。


あの馬の泣き声も、人がざわめく音も聞こえない。霧は相変わらずだが扉をそっと開けた。誰もいない。戻った、戻ったのだ。雄一は喜んだ。

もう馬や侍の姿も見当たらなかった。雄一は大きく扉を開いた。目の前にあった筈の林が消えている。雄一は胸が高まりながら更に周りを見渡した。

だが街は見当たらない。林から原っぱと変わっている。数時間前に走ったタイヤの後もない。あきらかに先ほど迄の景色とは異なっていた。だが平成の時代には戻っていないようだ。


だが明らかに地形が変わっている。現代に戻っていなくても小さなタイムスリップが発生したかも知れない。と言う事は先ほどの侍達が居た時代から別の時代に移動した事になる。ともあれひと時の安全は確保された事になる。

スマホを取り出した。やはり通じない。(圏外)と表示されている。雄一は再び落胆した。

「まさか更に原始時代にタイムスリップしてしまったのか?」

雄一は自分に言い聞かせた。


「落ち着け、もうここまで来たら運命にまかせ、落ち着け!」

 気を取り直しオートバイに乗って近くを見廻ることにした。まず状況を把握して置く必要がある。そして安全であるか確認しなくてはならない。それに身を守る武器が必要だ。

武器を作ってから外を見廻ることにし一旦、工場の作業場に来て二丁ある内の一丁の猟銃を改造することにした。猟銃にも色々ある。散弾銃、空気銃、ライフルなどがある。

散弾銃は三発以上の実包が装填出来る。他にも空気銃などあるが父が持っているのは散弾銃一丁とライフル銃二丁だ。だが片手で持ち歩くには不便だ。そこで銃身を短くする事にした。当然当たる命中確立が低下するが仕方がない。威嚇出来ればいいと思った。実弾を入れてテストする事にした。二十メーター離れた所に空き缶を置いて狙った。

ダーンと乾いた音がして空き缶が吹っ飛んだ。思ったよりも性能が良かった。

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