第17話 侍に囲まれてしまった
「仲間? 友達? お主は何者じゃ。おかしな言葉を使う侍でもないようだが」
「つまり怪しい者ではない言いたのだ」
侍達は聞き慣れない言葉に返答に困っているようだ。一番偉そうな侍が後ろの侍に合図を送った。軽く頭を下げた侍が茅葺屋根の家の裏に走って消えた。
数分すると馬に乗って脇道を走り抜けようとしている。雄一は察しがついた。おそらく応援を呼びに行くつもりだろう。
「あの馬はなんだ。俺が信じられないのか?」
「そうだ! 怪しい奴だ。このまま見逃す訳には参らん」
五人の侍達が一斉に車を囲み、槍を突き付けた。
「何をする敵ではないと言ったのに」
『黙れ! 貴様はやはり明智の間者に決まっている。大人しく代官所まで着いて参れ」
「断る、どうしてもと言うなら戦う、しかないようだな」
雄一は何故か怖さを感じなかった。それは相手の背の低さかも知れない雄一からみれば相手は中学生より小さい。子供相手に、例え刀を持っていようがどうってことはなかった。
「何を貴様、我ら侍に勝てると思っておるか」
「それはやってみ見なければ分からん」
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