第20話 クソメガネ、跪かれる。

「それでは、人生の最後にあなた様のような御方に出会うことが出来て幸いでした。出来ることなら、もっと別の形でお会いして、あなた様と添い遂げたかったですわ。ああ、こんな穢れた女にそのようなことを言われてもお困りでしょう。忘れてくださいまし」


 彼女たちはそう言うと、何処から取り出したのか刃物を首筋にあてて一気に薙いだ! 


 おおい! 待て待て!


 

 俺の戸惑いを他所に、鮮血が飛び散る!


 俺は慌てて、傷口を抑えながらメガネ治療を施していく。



 どうにか治療を終え、気を失った状態の3人を横たえる。


 そのまま、小一時間程経っただろうか。


 その間、少女たちの性病やら、股間の裂傷やら、山賊に殴られた傷や痣も治療しておいた。




 横たわる裸の彼女たちには、山賊のアジトで見つけた絹織物をかけておいた。





 彼女たちが目を覚ます。




「あれ……私たち?」



「目が覚めたか?」



 俺はおもむろに彼女たちに話しかける。


 3人が3人とも、夢うつつのような顔で俺に注目する。



「いいか、よく聞け。」


 3人の表情は戸惑いを残しながらも、正気を幾分取り戻したようで俺の目線に目を合わせてくる。


「山賊に穢されたお前らはさっき死んだ。今、ここにいるお前らは生まれたままの、何物にも穢されていないまっさらで綺麗なお前たちだ。」


 妊娠や性病、怪我を治療したと同時に大事なところの膜も再生しておいた。


 だから、この子たちはまっさらなのだ。


「で、お前らを生きかえらせたのは俺だ。だから、俺の言うことを聞け」


 3人は、真剣な顔で俺の顔を見た後、自分の体中を見たりまさぐったりして驚きの表情を浮かべている。


 そして、再度俺の方に視線を向けたところで俺は言う。



「生きろ。それだけだ。」


 すると、3人はその場で5体投地のように平伏し、こう言った。


「「「クウソ、メイガーニー(神のような尊いあなた様)。我らの忠誠をお受け取り下さい。」」」


 素肌に絹織物を身にまとい、誓いを捧げるような彼女らの姿はまるで、一枚の絵画のように神々しく見える。


 すると、彼女らと俺のメガネの間に何やら光の線のようなものがつながり、なんらかの繋がりが出来たことが感覚で理解できた。



名前 :マルヤ・ルイーセ・ラッヒェル・ハールトセン

年齢 :12

性別 :女

職業 :伯爵令嬢

レベル:4

HP  :14/14

MP :14/14


体力 :8

力  :6

知恵 :18

敏捷 :12

器用さ:16

魅力 :46

運  :32

カルマ:|14(善)

状態 :崇拝(篠村基夫)、心酔(篠村基夫)、興奮(大)


・崇拝(ご主人):1(篠村基夫:隷属、心酔、ハーレム)

・経験人数   :6(非合意6)※リセット済み


○スキル

・細剣 Lv2






名前 :ディアンタ・ヘールス

年齢 :16

性別 :女

職業 :冒険者

レベル:7

HP  :36/36

MP :24/24


体力 :21

力  :19

知恵 :10

敏捷 :19

器用さ:22

魅力 :32

運  :19

カルマ:|52(善)

状態 :崇拝(篠村基夫)、心酔(篠村基夫)、興奮(大)


・崇拝(ご主人):1(篠村基夫:隷属、心酔、ハーレム)

・経験人数   :4(非合意4)※リセット済み


○スキル

・大剣   Lv5

・体術   Lv4

・魔法(水)Lv2



 



名前 :クラシーナ・ファン・デル・ブルッヘン

年齢 :9

性別 :女

職業 :商人見習い

レベル:1

HP  :8/8

MP :7/7


体力 :8

力  :4

知恵 :54

敏捷 :7

器用さ:32

魅力 :32

運  :65

カルマ:|2(善)

状態 :崇拝(篠村基夫)、心酔(篠村基夫)、興奮(大)、初潮前


・崇拝(ご主人):1(篠村基夫:隷属、心酔、ハーレム)

・経験人数   :6(非合意6)※リセット済み


○スキル

・算術    Lv6

・読心術   Lv2

・魔法(回復)Lv1





 ん?


 崇拝? 隷属? 心酔?



 なにやら見慣れない文言が彼女らのステータスに見受けられる。


 そういえば、山賊たちから助けた直後にも似たような文言が並んでいたような気がしたが、それとは微妙に異なっているような気もする。


 もっとも異なっている所、それは



   ハーレム



 の部分だ。




 目の前で祈りのように跪く彼女らと、ステータスを見て惚けていると、



「お嬢様ー! 無事ですか?!」


 少女らを案ずる誰何の声と、金属のこすれ合う音が多数聞こえてきたのであった。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 あのあとあの場に現れたのは、案の定、伯爵令嬢のルイーセを助け出すべく派遣された伯爵領の騎士たちだった。


 俺に向かって跪いているルイーセたちを見た騎士たちは、俺に向けて殺意と剣を向けてきたが、ルイーセがそれを遮る。


 その場で立ち上がり、肌にかけていた絹織物が身体から外れるのも構わずに、全裸のまま両手を広げて俺と騎士の間に立ちはだかる。


 仕える家の令嬢の裸を目の当たりにした騎士たちは当然戸惑い、肌を隠すように声をあげるのだが、その声すら黙らせて、ルイーセはこう言い放つ。


「剣を納めよ! こちらのお方は私たちをたった一人で山賊の魔の手から救ってくださった、神のような尊いお方だ。これからの私たちのご主人様でもある! 騎士たちよ! そなたらが我の配下であるというのならば、この方は我の崇拝する御方! すなわちおぬしらの主でもある! もう一度言う! 剣を納め、平伏せよ!」


 全裸で言い放つその姿は凛々しく、気高く、騎士たちは剣を納め、俺に向かって跪いたのだ。

 



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る