#33 「ザマァ」が好きじゃないのかも説

これは私が文章を書く理由でもあるんですが。

カクヨム作品を乱読する理由のひとつとして、自分の好き嫌いを知るためというのがある。


自分の「好き嫌い」って、実はあんまりよく分かってないんですよね、私。


食べ物はゲテモノ系以外なんでも食べる。


人の好き嫌いもあんまり分からない。

人については、できるだけみんな等距離で付き合おうとしている。

だから、初対面でも問題ない。

当たり障りのない会話でいい。

逆に、あんまり長く一緒にいない。

ベッタリしすぎると、全員押し並べて嫌いになる。


みんな、いいところも悪いところもあって100%はない。

時々にもよるし、近づきすぎないのが得策だと思っている。

群れるのも好きじゃない。

視点が偏る気がする。フラットでいたいんだよね。


小説も同じで、私は自分の好き嫌いが分からない。

太宰治は嫌いってこと以外、知らん。

太宰治は、自意識過剰すぎて、めんどくさい。

三浦しおん比較、江國香織は好きだ。

そういや、今では山田詠美も古臭い気がして好きではない。群ようこは好きだ。




カクヨム内で、最近、自分が好きな作品の傾向が分かってきた。

ズバリ「嫌なヤツがいない」。

皆無ではないかもしれないけれど、メインにならない。

応援したくなる人たちなんですよね、みんなそれぞれ愛おしいキャラクターだ。


だから、ザマァすることを目的にしている作品って好きじゃないようだ。

過去受けた仕打ちを根に持ち続けて、仕返しできたらほくそ笑む系ヒロインとか、単純に、性格悪いじゃん?

理不尽に虐げられたのは可哀想なんだけど、いつまでそれ覚えてるんだろう?みたいな。

で、敵役は終始嫌なヤツのままで、最後に仕返ししかされないって、役目?

その人にも事情があるかもしれんし、なんか、建設的な未来にならないのかなぁと思っちゃうんですよね。


最終的に、誰かの不幸を踏み台にして、自分だけ幸せって概念が、平和じゃないし。




ああ、そもそもフラットじゃないのが嫌なのかも。

人間関係を上下関係前提にしてるのかな?

要するにマウント合戦してる訳じゃない?

前は、私が下だったけど、上になりました!ザマァ!!!的な。


だから、実は私、異世界ファンタジーによくある冒険者レベルも好きじゃないんですよね。

冴えないオッサンが、SS級パーティーに仕返しする、みたいなのとか。

冴えないふりしてるけど実は最強で、本気出したら勝っちゃうんだけどね!とか。


リアルに能力ないサラリーマンのドリームなんだろうなぁと思ったりする。


「オレだって本気出せば、そんなことぐらいデキますけど、なにか?」

「アイツら意識高い系だから笑」


とか言ってるだけっていう。

何もしないってのは、何もできないっていうのと、結論、同じなので、それも実力だ。


個人的には、

「じゃあ、やれば?」

と単純に思っちゃうんだよね。

自分が本気出さないのも、意識低いのも、実力のうちなんで。

そういう能力の人だと思っているし、そんなに役職とかランクとか、有用なんですかね?

適材適所だから、上下にこだわらなくていいんじゃない?

上下への謎のこだわり自体が、なんか可愛そうですよね。価値観的に。




なので、私が好きな作品には、基本ランクとか出てこないですね。

ザマァもされない。

ザマァされたとしても、次の段階に人間関係が発展しているから、総合的に見て、性格がいいんだよね。


嫌なヤツだから復讐しました、以上!!!


って終わると、結局のところ同レベルの人の権力闘争なんで、あまりいい気分にならないのかも。

争いがあったとしても、さて、どう乗り越えるか?ってのは、大事かも。

その時の気持ちなんかに、人間性が出たりするよね、と気づいた。

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