第41話 希望と恋愛雑談配信
『え?想い人との進展具合を聞きたい…ですか?』
・そろそろ一周年だしどれくらい進んでいるのかと
・そういえば進展具合あまり聞かないな、というかゲーマーとして育成が楽しすぎてそっちばっかりだったな
・恋愛系ヴァーチャルアイドルって肩書きはもうプリムラちゃん独自のものだけど最近はゲーマーとしての色が濃いからね
麗明院 武:健全にゲームを楽しんでるプリムラさんが僕は好きだよ
本日はMOBA(略称でマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナの略ですわ)と言われる2チーム5対5に分かれてのリアルタイムストラテジーゲーム、Legend of Unions 通称louというゲームをプレイ中ですわ。
現状は特に大きな戦闘も起こらずお互いに妨害をしながら隙を伺っている状態ですので少々暇な時間なのでコメントを見ながら雑談をしている所ですわ。
『そうですわね…ここの所お互いに忙しいのもあってあまり会えていないのが現状でしょうか…忙しいところに押しかけて迷惑もかけたくはないので。』
・でもあまり放置してると誰かにちょっかい出されるんじゃ
・聞いてる感じ優良物件っぽいし目は付けられてそう
・このところ配信も減ってたけど何かしてたの?
・クリスマスデートの惚気は聞きましたけどその後は聞いてない
・お泊りの奴ですね!
麗明院 武:健全なお付き合いでお願いします
ふむ…クリスマスデートは楽しかったですわね、その後のデートは初詣デートでしたか…あっ、相手が前に出ました…これは、誘ってますわね。
『誘いには乗りませんわ、ん?味方も寄って来てくださっていますが…なら行きましょうか。』
・行けるか…?
・ダメトレは相手有利だな
・味方が消極的だなぁ
・お嬢ピン刺し連打草
うーん、入ってくれればやれたのですが…まぁ序盤ですしあまり信用されてないみたいですわね。これは仕切り直しです。
『それで、クリスマスデートの後、でしたか?一応カウントダウンライブの翌日に一緒に初詣に行きましたわ。』
・ほう!初詣!
・プリムラちゃん着物は来たんですか?
・何か願い事しましたか?
・初詣いいねぇ
初詣もこちらから誘ったのですが最初は渋ってましたわね、ライブの後だからゆっくり休んで欲しいと言われましたが、それよりもデートが大事ですわ、休むのはその後でも大丈夫なので。
『着物は来ましたわ、というか割と和服は着るのであまり変わった感じはしなかったのですけど。』
・へー結構和服着るんだ
・雑談しながらなかなかえげつないハラスしとる
・そろそろオブジェクト戦か
・プリムラちゃんの和服衣装みたい!ママお願いします!
・マネーちゃんは忙しそうだから無理させないであげて
『そろそろキルを取っておきたいところです…着物衣装ですか?…ふむ、一応総括ママにおねだりしてみますわね。』
そうか、1周年も間近だしそれに合わせて新衣装を貰うのも悪くないかも知れない、わたくしとマナさんに貰えればちょうどいいけれど、しるべさんも忙しそうだからどうでしょうか?
『視界は取れてますわね…!…入ってきましたわ!ここは連携して落としましょう!』
・フラッシュとブリンク使って一気に敵の裏に回った!
・背後取れたし火力枠落とせたけど孤立してるし危なくない?
・味方も追撃してくれてるけど厳しそう
・え?ULTで敵のスキル回避した?
・草、リソース全部プリムラちゃんに食われて敵総崩れやん
・しかもプリムラちゃん落とせないというね
『まぁまぁですわね…1キルだけでしたが…味方が育ったので十分でしょう、全滅させましたしオブジェクトをさっさと倒してしまいましょう。』
・まぁまぁって…敵単独でほぼ壊滅させたんだけど
・プリムラちゃんの配信では割とよく見る光景
・敵さん可哀想
・一気に有利になったなぁ
高ランク帯ではありますが相手はそこそこくらいですわね、大きなミスがなければ勝てそうですわ。
『それで…なんでしたか…そう、一緒に初詣に行ってですね、願い事はまぁ秘密ですわ。言える範囲ではウィラクルの今後の繁栄を祈って参りました。』
・新規メンバーも増えるしウィラクルも順調に大きくなってきてるね
・マナちゃんが言ってたけど3人新人来るんだっけ
・新人ちゃん気になるねえ
・もう新人ちゃんと会った?
『あのですね、合否結果が終わってまだそんなに立っていませんわ、今頃合否結果は通達されているかもしれませんが、直接顔合わせはしていません。』
・そうかー残念
・そうだよな、まだマナちゃんが告知してから1週間たってないし
・あわよくばどんな属性の子が入ってきたのか聞きたかった
・しらないならしゃあない
…実は知っていますけれど、ここでは口には出しません。わたくしがあまりわたくしが面接官やっていたことを知られたくはありませんし。
『それで…話がまた変わってしまいましたわ…なんでしたか、ああ、参拝が終わった後ですわね。』
このところの話題が多すぎて脱線しがちですわ、まぁ話題が多いのは良いことですけれど。
『その後はいつもの…わたくしと彼が贔屓にしているカフェで過ごしましたわ、ふふ、デートの場所が変わり映えが無くてすまないな、なんて言うんです。変わり映えのないいつもの場所…だからいいのですのにね?』
・あまぁい…
・へぇ、贔屓のカフェがあるんだ
・うちのお嬢は変わり映えのない定番が好き、逆にクリティカル出してるんだよな
・気遣いの仕方が大人っぽいのいいなぁ
・そのカフェは何度も行ってるの?
そうそう、初めてデートした場所は特別なのですわ…ああ、そういえば初デートの事は言いましたっけ?あまり覚えていないのですわね?
『前に言ったかは覚えていないのですけれどそのカフェは初デートで行った場所なのです。なので贔屓にしている場所、と言っても少々特別感はありますわ。』
・初めてのデートで行ったカフェが贔屓の場所ってなんかいいなぁ
・うんうん、行きつけの場所って落ち着くし
・デートって色々なところ行きたい欲もあるけど落ち着く場所でまったりとお話しするのもいいよね
・まったりデート話してるけどさらっとゲーム画面3キルしてるのヤバい
『まぁ実はカフェで過ごした後は家に送って貰って終わりだったのですけどね。配信枠立てておりましたし準備がありましたので、まぁその後のデートの予定も入れさせて貰いましたけれど。』
・ちゃっかりしてて草
・お互い忙しい身の上だからね…
・初詣のあと何回かデートに行ってるんです?
麗明院 武:程々にね?
『ええ、お互いの予定を合わせてお出かけさせてもらってますわよ?バレンタインもデートに行きましたしね、今度お話しさせていただきますわね。』
・バレンタインデート楽しみ
・チョコ渡したんですか?
麗明院 武:プリムラさんのチョコ羨ましいなぁ
・プリムラちゃん料理上手だからよく出来てそう
まぁ、それなりに上手に出来たとは思いますが、喜んでくれたので良かったです。
『一応手作りで渡しましたけど、個人的にはあまりチョコを渡してホワイトデーにお返しを貰うっていうの少し好きじゃないのですわよね。一応イベントとしてやっておきたかったので渡しましたけど。』
・定番イベントだからねバレンタインチョコを渡すの
・意外、そういうの好きじゃないのか
・なんで?
『相手が喜んでくれたからチョコ渡してよかったとは思いますわ、ですけどそのお返しに相手から何かを要求するのってなんというか…。』
なんといえばいいのですかね?贈り物をしたからお返しを貰うのが当然っていう義務感が好きじゃないのかもしれません、相手の手間をかけるのにもなりますし。
『なのでお返しは良いですわ、って言ったのですけど手間でも面倒だとも思ってない、俺が君に贈りたいからそれでいいって…。』
・プリムラちゃんの声がもう甘い
・ブラックコーヒー飲まなきゃ
・大人って感じがする
・これで付き合ってない判定なのマ?
そう、これだけ距離が近いのに裕司さんにとってはまだ恋人判定ではないらしい、指輪も貰ってるのに。
『そうなんですわよねぇ、個人的にはもうお付き合いしてると思っているのですが、大人の恋愛って、こうなのです?』
・いや分からんけど
・リスナー全員恋人持ちだと思わないで(血涙)
・個人差…かな?
・そこまで行ってりゃ付き合ってるでしょ
微妙に逃げ道を何とか作ろうとしてますけれど、まぁ逃がすつもりはないんですけどね?
『まぁ、それは逃げ道をふさいでいけばいいだけの話ですわね。いずれはそういう関係になるつもりですし。』
・発言がもう強い
・逃がすつもりなど毛頭ないという意思を感じる
・そりゃ炎上覚悟で初回暴露した女だからね、覚悟が違います
・応援してますよ、我々リスナーは
『ありがとうございます、皆さんのこうした方が良いんじゃない?というお話も多少は参考にさせてもらっていますし、本当に助かっていますわ。…あら?』
降参されてしまいましたね。まぁ集団戦でほぼ全勝してましたし、これだけ差が付けばもう巻き返しは辛いでしょうから仕方がないですわね。
・相手心折れちゃった…
・まったり恋愛雑談しながら片手間にボコボコにされてるからね、心も折れるよね
・お相手さんご愁傷様…
『まぁ終わってしまったものは仕方がありませんわね、気を取り直して次の試合に参りましょう。』
やはり恋愛雑談配信をするのは楽しいですわね。
その後も、夜が明けても配信枠の時間がギリギリになるまでランク配信を続けました。次もまたこうして恋愛雑談したいですわね、と思いながら。
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