第1話 冒険の終わり(後編)
どうも。葬送のフリーレンを見てると無性にハンバーガーが食べたくなってファーストフード店じゃないハンバーガーレストランに行ったら、閉まっていたライデン。
ちょっといいハンバーガーが食べたかったんだって(苦笑)……この物語を見ていると体重が増ぇるん《フェルン》です!
♠️
街の中の立派な教会。
国葬だろうか?
白や青、紫のバラがしきつめられた棺に剣を抱いて眠るヒンメル。(実は葬られているのは、〝剣の秘密〟でもある)
ハイター 「ヒンメルは幸せだったと思いますよ」
フリーレン 「そうなのかな?」
参列者1 「あの娘、ヒンメル様の仲間なんだって? 悲しい顔一つしないなんて」
参列者2 「薄情だねぇ」
ハイター 「おやぁ? 私だってしてませんよぉ」
アイゼン 「ワシもワシも」
参列者一同 「「「司教は、まじめにやれぇ!」」」
投げつけられる花や諸々のもの。
ハイター 「ハッハ…手痛いですなぁ」
ハイターとアイゼンの軽いノリ、好きです。
こういう司祭の話って、堅苦しい人より絶対、味があって面白いんだろうなって思う。
場面は変わり、ヒンメルを埋葬するシーン。この国は土葬するようです。
晴天の下、鐘のおとが鳴り響く。ザッザッと棺に土が乗せられていく中…
フリーレン 「だって……私、この人のこと何も知らないし」
フリーレン 「たった10年、一緒に旅しただけだし…」
棺に土が被されていく中、やっと盟友の死を実感できたのか堪えきれず頬をつたう
フリーレン 「人間の寿命は短いって知っていたのに……何でもっと知ろうとしなかったんだろう…。グスッ…」
フリーレンの鼻は真っ赤で、顔は涙でぐしゃぐしゃです。
〝物語は終わり、勇者は眠りにつく。穏やかな日常をこの地に残して。
同じ道を選んだ。それだけなのに、どうして? 頬をつたう涙の意味をもっと知りたいんだ?〟
両サイドにそっと佇む盟友たち。ハイターはフリーレンの頭を撫でて、フリーレンより背が低いドワーフのアイゼンは、フリーレンの背中を撫でます。
フリーレン 「頭、なでんなよぅ」
♠️
指輪をいじるフリーレン。それはヒンメルにもらった物であり、デザインにも意味があります(後々、説明します)。で、その場面は漫画にありません。スタッフに指輪推しの人がいるのかもしれません(笑)。【鏡蓮華の指輪】のね!
到着した馬車。ハイターが呼んだものでしょう。
ハイター 「2人とも顔をよく見せて。……これで最後になるでしょうからね」
フリーレン 「どこか悪いの?」
ハイター 「長年の酒がたたりましてね」
アイゼン 「天罰、だな」
ハイター 「ハハハ…聖都によることがあったら、私の墓に酒でも供えて下さい」
馬車に乗り込むハイター。
ちなみに、ハイターはドイツ語で〝晴れた〟〝澄んだ〟という意味があります。ヒンメルは〝天国〟っていう意味。ヒンメルは、名前の通り、〝天国〟に行けたでしょう。
フリーレン 「ハイターはさ、死ぬのが怖くないの?」
ハイター 「私達は世界を救った勇者パーティーですよ? 死後は贅沢三昧に決まっています。そのために私はあなた方と一緒に戦ったのです」
この世界の宗教は、来世利益型らしい。他のエルフのモンクは、「女神様に抱かれてこれまでの善行を誉めてもらいたい」というようなことを言います。うん。美しい女神様によしよししてもらえて、褒めてもらえるなら僕も超頑張る。この世界の住人が善人ばかりなのは、この宗教があるからかも。
フリーレン 「生臭坊主」
馬車、ガラガラガラ。
フリーレン 「さて、私もそろそろ行くよ」
アイゼン 「魔法収集の旅か?」
フリーレン 「それもあるけど…。私はもっと人間のことを知ろうと思う」
アイゼン 「そうか」
フリーレン 「それで…一つ相談なんだけど。私、魔法職だからさ、強力な前衛がいると助かるんだよね」
アイゼン 「勘弁してくれ、もう斧をふれるような歳じゃないんだ」
フリーレン、絶句。
アイゼン 「そんな顔をするな、フリーレン。人生ってのは衰えてからの方が案外長いものさ」
なんだろう、1人でも大丈夫と考えて生きてきたフリーレンが急に道連れを欲したような…。寂しくなったのかもしれない。それと〝ロードス島戦記〟の影響か、なんだかエルフとドワーフって仲が悪いイメージがあるんですけど。フリーレンとアイゼンはそうでも無さそう。フリーレンがミミックにかかった時は、アイゼンが「やっぱりこのエルフ、ここに置いていかない?」とそっけなくつぶやいてましたが(苦笑)
フリーレン 「そっか…。じゃあ、またねアイゼン」
アイゼン 「ああ、また」
何かの暗喩か、反対方向に歩いていく2人。
綺麗な音楽。雲一つない晴天の下、どこまでも道が続いていきます。
♠️
老いた大木を見上げるフリーレン。
フリーレン 「さっきの木だ。この森、いつも迷うな。どこだ? ここ。」
〝ヒンメルの死から20年後、中央諸国聖都シュトラール郊外〟
ある日、森の中。【アンリミテッド・ルールブック】とか「僕はキメ顔でそう言った」とか言いそうな(偽物語ネタです)銀髪ツインテ眉麻呂美少女風エルフ(推定1000歳以上)は道に迷ったようです。
決まった年号を用いず、〝ヒンメルの死後から〇〇年後〟って表記もこの物語のネタの一つ。視聴者の間では、AH《アフターヒンメル》と呼ばれています。
フェルン 「何か、お探しでしょうか?」
幼少期のフェルン。
フェルンをじっと眺めるフリーレン。
フェルン 「どうかなさいましたか?」
フリーレン 「いや、ハイターっていう人の家を探しているんだけど」
フェルン 「では、お客さまでございますね」
この場面のフェルンはどことなく不気味。〝推しの子〟でアクアが演じたホラーに出てくる子供みたいな。子供が妙に大人びた話し方をすると、異様な不気味さが漂うんだなぁ。
アップになるハイターの家。小さくて質素な山小屋といった風情です。
フリーレン 「まだ生きてたんだ、生臭坊主」
ハイター 「はっはっは。かっこよく死ぬのも難しいものですな」
ヒンメルが死んだのは70歳くらい。ヒンメルと幼馴染で同じ歳であるハイターは、この時、90歳くらいです。
フリーレン 「墓に供える酒、買ってきちゃったけど一杯やる?」
ハイター 「酒はもう辞めたんです」
フリーレン 「いまさらいい子ぶったって、女神様は許してくれないと思うけどね」
ハイター 「ハハハ」
お茶を持ってくるフェルン。
フリーレン 「あの子は?」
ハイター 「フェルンと言います。南側諸国の戦災孤児でした」
フリーレン 「らしくないねぇ。進んで人助けするような
ハイター 「ふっ」
意味深な笑い方をするハイター。
ハイター 「何故、私のところへ?」
フリーレン 「聖都への買い出しのついでだよ。それにハイターにはたくさん借りがあるから死なれる前に返しに来た」
ハイター 「ふーむ……では、一つ頼み事を…。弟子を、とりませんか? フェルンには魔法の才能があります。あなたの旅に連れていてはもらえないでしょうか?」
パチパチ爆ぜる暖炉の音。
しばしの黙考。
フリーレン 「ごめん、ハイター。それだけはできない。足手まといになるから。実戦での見習い魔法使いの死亡率は知っているでしょ?友人から預かった娘を死地に送るつもりはないよ」
ハイター 「そうですかぁ。……では、別の頼み事を」
知ってるぞ。これ【ドア・イン・ザ・フェイス】ってやつだ。まず聞き入れ難い要求をして相手に難色を示させてから要求水準を少しだけ下げて、相手に自分の要求を呑ませる心理テクニック。
反応集では、なにか邪悪で腹黒いことを企んでいるエアプ概念のハイターって言われていたけど。
とんとん。バタン。
机の上に置かれる本。
ハイター 「賢者エービヒの墓所から出土したものです。この魔導書には、今は失われた死者蘇生の魔法や不死の魔法が記されていると言われています」
フリーレン 「そんな魔法が実在するとは思えないけど」
ハイター 「それも含めて解読をお願いしたいのです。…できますか?」
いや。だからハイター、怪しさ満点なんよ。
フリーレン 「絵を使った暗号でしょ? この時代の人はこういうの、好きだねぇ。まぁ5、6年もあれば」
ハイター 「…そう、ですかぁ」
フリーレン 「でも、こんなの解読してどうすんのさぁ? 死ぬのは怖くないんじゃなかったの?」
ハイター 「理由は2つあります」
かっかっか…っと図書倉庫の扉に向かって歩きだすハイター。
ハイター視点でフリーレンからゆっくり遠ざかっていくカメラワーク。うん。怪しい。
ハイター 「一つは、あなたたちの手前、格好つけていたから。二つは、前より死ぬのが怖くなったから。まぁ…不死とは言わず、ほんの少し。ほんの少しでいいから時間が欲しくなったのです」
暗がりで見えない表情。
まぁ……理由は、なんとなくわかりますけどね。
ハイター 「それに聖典には、〝健やかに生きよ〟とあります。長寿はその最たるものですよ? フリーレン」
フリーレン 「生臭坊主」
ハイター 「はっはっは。それと、解読の片手間で構いませんからフェルンに魔法を教えてやってはくれませんか?
私は僧侶なのでどうも勝手がわからないのです」
フリーレン 「まぁ、そのくらいなら」
♠️
崖の上に佇む幼いフェルン。
ガサガサ。
フリーレン 「いた。探すのが大変だったよ。いつも森で修行しているの?」
フェルン 「フリーレン様でも私を見つけるのが大変でございましたか。存在感が薄いとハイター様からもよく言われます」
フリーレンの方を振り返ってじっとみつめるフェルン。
フェルン 「とても、良い事。で、ございますね」
だから……喋り方が、なんか怖いんよ! フェルンちゃん。何故に所々、ホラーチックなのか?
フリーレン 「……そうだね」
フリーレン (やっぱり、魔力感知にほとんど引っかからない。卓越した魔法操作技能だ! この歳で一体どれだけの研鑽をつんだんだ?)
フェルン 「ハイター様に、あの一番岩を打ち抜けば1人前になれると言われました」
実物の大きさが半分とか3分の1に見えるほど遠方にある大岩。
フリーレン 「へぇー、ハイターもわかってんじゃん。あれはね……」
ドンッ!
いきなり魔法をぶっ放すフェルン。威力はありそうだが、半ばで離散する魔力。
フェルン 「このように、魔力が離散してしまい届かないのです。どのような修行をすれば良いのでしょうか?」
フリーレン 「その前に、一ついい?」
フェルン 「なんでございましょう」
無表情に聞き返すフェルン。
フリーレン 「魔法は好き?」
フェルン 「……ほどほど、でございます」
相変わらず無表情で淡々と答えるフェルン。
その答えを聞いて、にっこり笑うフリーレン
フリーレン 「そっか…。じゃあ私と同じだ」
フェルンに共感を覚えたようなフリーレン。
1話目は以上です。
改めて、情報量が多い。何回も見直したけど、その都度新しい発見があるというか。
最初、ハイターの様子が怪しいとか、フェルンの感じがホラーチックとか思わなかったし。
そして、ハイターがフェルンに長距離魔法を撃てれば一人前と言い聞かせる意図は??
あと、フェルンが南部諸国の戦災孤児であるという点にも疑問を抱きました。最初、フェルンの両親は魔族に殺されたのかなぁ? と考えていたのですが……。ヒンメル達が魔族を討ったのは70年以上前の出来事。フェルンは6歳くらい。さらに南部諸国は、魔族との争いがあった北部諸国からもっとも離れた場所。その間、南部諸国で魔族との大規模な戦争はなかったと推察されます。
(まさか、人間同士の間で戦争が起こった??)
外敵がいなくなれば内輪揉めをしだす。人間の特徴の一つです。
これ、サンデーの担当さんに「今度は、ギャグテイストで行きましょう」と言われてお出しされたものだそうなんですけど……。どうしてこんなにしんみりしたり、人間について考えさせられたりさせられるんでしょうか?
結構、深い物語です。
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