第23話 許しませんよ?

 そこには信じられない光景が広がっていた。


 お姉ちゃんとその見知らぬ男性が、まさかの行為に及んでいたのだ。私は凍りついた。その場から動けなくなり、ただ呆然と二人を見つめていた。


 私の心は激しい動揺に包まれた。お姉ちゃんが他の男性とこんなことをしているなんて。私の中でお姉ちゃんのイメージは完璧なものだったが、その瞬間に崩れ去った。


 心の中は怒りと衝撃でいっぱいだった。どうしてお姉ちゃんはこんなことを? 彼女は私が常に尊敬し、羨ましく思っていた人だった。


 私は混乱し、感情が渦巻いていた。この出来事は、私にとってどういう意味を持つのだろうか。


 お姉ちゃんの行動は、私に新たな可能性を示していた。もしかすると、先輩への道が開けるかもしれない。でも、その前に、私の心の中で整理することがたくさんあった。



 そして、私の耳に飛び込んできたのはお姉ちゃんの喘ぎ声とベッドが軋む音だった。私はその場に凍りついてしまった。


 声は、情熱的で、制御不能な感情の発露のようだった。ベッドの軋む音は、その行為の激しさを物語っていた。私はその声と音に、深い衝撃を受けた。


「ああっ……!」


 お姉ちゃんの声は、私にとっては信じられないものだった。私が知っているお姉ちゃんは、いつも冷静で完璧な存在だった。でも、今聞こえてくる彼女の声は、まるで別人のようだった。


 私はその場を立ち去ることもできず、ただ声と音を耳にしながら、その場に立ち尽くしていた。私の心は激しく動揺していた。


 お姉ちゃんのこのような姿を見たことがなかった。彼女の完璧なイメージが、一瞬にして崩れ去ったように感じた。私はこの現実を受け入れることができず、ただ混乱するばかりだった。


 私は静かに部屋を後にし、自分の部屋に戻った。ベッドに横になりながら、私はこの衝撃的な光景をどう受け止めればいいのか、深く考え込んでいた。


 私は思わず目を背け、リビングから逃げ出した。足音が聞こえないように、必死に静かに歩き、自分の部屋に戻った。ドアを閉じると、私はベッドに座り込み、頭を抱えた。



「なんで……どうして……」


 私の心は混乱と疑問でいっぱいだった。なぜお姉ちゃんは、あんなに素敵な先輩を裏切って、他の男と……? その思いが頭から離れなかった。


 そして、悲しみや衝撃よりも、怒りが込み上げてきた。お姉ちゃんへの怒り、裏切られた先輩への同情、そして何より、自分自身への混乱と怒り。


「許せない……絶対に許さない……」


 私は固く目を閉じ、拳を握りしめた。お姉ちゃんの行動は、私にとって許せない裏切りだった。その怒りは、私の心の中で炎となり、燃え盛っていた。


 私は立ち上がり、部屋の中を歩き回った。怒りが収まらない。何をどうすればいいのか、私には分からなかった。ただ、この怒りをどこかにぶつけたい、そう強く思った。


 この出来事は、私の中で何かを変えるきっかけになるだろう。お姉ちゃんへの憎悪、先輩への思い、そして自分自身への疑問。私の中の感情は、渦巻いて止まらなかった。



 私は深い憤りを感じていた。お姉ちゃんは何でも手に入れることができる。それなのに、なぜ自ら手放すのか、その理由が理解できなかった。


「なんで……なんでそんなに贅沢なの?」


 私は心の中で叫んだ。私がどれだけ頑張っても届かないものを、お姉ちゃんは簡単に手に入れて、そして捨てる。まるで使い捨てのおもちゃのように。


 私は部屋の中を歩き回りながら、考えを巡らせた。


「だったら、私が手に入れてもいいよね」


 お姉ちゃんが簡単に手放した先輩。私にとっては、それが許せない裏切りだった。


「先輩は……私を本当に見てくれる唯一の人」


 私は先輩の優しさを思い出し、心が痛んだ。先輩を悲しませるような人は、絶対に許せない。


「私が先輩を守る」


 私はそう決心した。先輩は私にとって特別な存在で、お姉ちゃんが軽んじたような扱いは許せない。私は先輩を手に入れるために、何でもする覚悟を固めた。


 この出来事は、私の中で新たな決意を生み出した。お姉ちゃんに対する怒り、先輩への深い愛情、そして自分自身の存在価値を再確認するきっかけになった。


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