逆行する前に

 輪廻:生ある者が迷妄に満ちた生死を絶え間なく繰り返すこと。


 逆行する前にこの話は、「輪廻の逆行」であり「倫音の逆光」です。普通の小説は年齢を重ねて時間の流れに沿って書いていますが、この作品は逆の流れで書いています。


 つまり、6歳→17歳→28歳→39歳へ逆行する読み方こそ普通の読み方です。


 この作品の倫音はすべて違う時間軸の倫音です。彼女はみんなから好かれる真面目な女性です。ですが、巳来は違います。この作品の巳来はすべての同じ巳来です。彼は6歳を期に今まで経験した記憶を思い出します。彼はいろいろな経験をして39歳に辿り着いています。


 6歳→17歳→28歳→39歳。彼女と付き合うために頑張っていろいろなアプローチを繰り返して、やっと彼女と幸せな時を過ごしますが、28歳で惨い別れ方をします。そして、何度も何度も繰り返して、彼は39歳の結論に辿り着きます。


 そして...6歳に戻る。そして、彼は17歳のあの時を経験したくて同じことをしたり...それを何度も繰り返して彼女が不意に彼の存在を感じて...なんてね。


 巳来は彼女の人生を輝けるものにするため、逆光になる。そんな意味もあります。本当に好きな人が出来たとき、その人の人生を輝けるものにしたい、たとえ自分が彼女に知られなくても...


ちなみに、6歳と17歳は巳来目線。28歳と39歳は倫音目線で書いてみました。


以上、ここだけの話でした。

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リンネの逆光 『むらさき』 @0369774

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