第4話 休息の理由

「カヤノスはなんで夜逃げしたの?」

「ブフォ」

シンシャその言い方は止めてくれ、僕は借金持ってるわけではないんだ。

それに、

「子供が話す内容ではない!」


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ここは街の中にある宿屋。前に女子会という名の殺し合いが始まり家を半壊にしたため、少しの間宿屋に泊まることになったのだが…

「っていうかなんでみんなジロジロ見てくるの?」

「アハハ」

今僕の目の前には7、8歳ぐらいの女の子…シンシャがいます。どうしてこの姿なのかと言うと、魔力を使い過ぎにより魔力の年齢制限が掛かって縮んでしまったという事情があるからなのである。

旅の間にはよく見た光景ではあるけど慣れはしないな。


『あれなんだろう』

『もしかして誘拐か闇取引…!』


「ほらほら、誤解が起きてるって」

「何が?」

気づけよ、そこは気づかないとダメだろ。

『それに一式黒ってより怪しいですわね』

…?僕はそんな怪しい格好しているか?

確かに僕はハイヒールと真っ黒な露出度が高い服を着ているが、流石にそれだけで言われるのはきついな。


「っていうか!話しそらしたでしょ!」

「逸らしてないですよ」

「だったら言えるんでしょ!なんで夜逃げしたのか!」


「夜逃げって言うな!」


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「で?なんでいなくなったのか、聞かせて欲しいな?」

「口出ししなければいいけど」

シンシャは大体僕の意見は正論によって潰されたことが多くて言いたくない理由の一つではあるけど…

「場合によるわね」

毎回ちゃんと聞いてくれるからそこは信頼出来るんだよね。

「……分かったよ」



あの日僕は国の宴会があったじゃないか。その時はバラバラで過ごしていて僕は風通しのいい屋根の上にいたんだ。住民達が笑いながらお酒を交わして楽しそうだった。もちろん君達も一緒に飲んでいたよね。嬉しかったんだ、やっと平和が戻ったんだって嬉しかったんだ。

だけど、一瞬思ったんだ。


この旅は終わったら僕達は解散するのかなって。


旅の途中の村人の話が耳に入ったんだ。

『あそこの冒険パーティー、目的が終わって解散したらしい』

元々は寄せ集めのパーティーなんだ、仲間によっては帰る故郷がある。


だけど君達は”僕”がいるから帰るつもりなんてさらさらなかったそうだけど。

でもその時の僕はそれに感ずいて、みんなは故郷があるんだ。僕のせいで戻らないんだったら自分から離れた方がいいなって思ったから。それに僕だって独りになりたかったし。


「ただのしょうもない言い訳ですけども」

「………じゃない」

「え」

「そんなことあるわけないじゃない」

「私だってその後故郷に帰ったわよ。だけどあんた達が脳裏にあってソワソワするのよ。それに何年一緒にいるんだから潔く解散すると思う?」

「多分ないと…」

「人の話し聞かないのはあんたの悪い癖……ムニャムニャ」

あっ寝ちゃった。話の途中なのに……でも、シンシャはあの時みたいに本音を出してくれたんだよね。原因は酒の飲みすぎだと思うけど。

「嬉しいけど、僕は独りがいいんだよ」

酔いつぶれたシンシャを担ぎ、個室に向かう自分は、無意識に微笑んでいた。

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