第4話

そうだ…

あの日の空もこのくらい美しかった。

彼と2人で下校していた日。車に轢かれそうになっていた迷い犬を助けようとして、

道路へ飛び出した。

鋭く耳に突き刺さるクラクションの音。

体がコンクリートに叩きつけられ、全身の痛みに朦朧とした。彼が私の名前を呼んでいる。

私が不安に思っていたら、彼は私の手を握って、「大丈夫だ」と言った。

私は精一杯笑いかけて意識を手放した。

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