人は、失われた感覚を補完するように別の感覚が鋭敏になるそうです。反響定位などが有名ですね。本作でも、事物を聴きとることに長けた女性がでてきます。その取得情報と気遣いのやり取りを興味深く読ませていただきました。読みつつ思ったのですが、視覚障がいのある方の誘導方法が、実際と異なっているのはストーリー上の必要なのかもしれません。手の温もりなど、人柄の表現に用いられているので。後、今作の登場人物の幾人かは別の話から客演しているのか、とも感じられました。色々と考えさせられるお話でした。
ある日常の一時を切り取った作品です。すごく短い物語ですが、しっかりと人間模様が表現されており読んだ人の心に訴える力があります。ぜひ読んでみては?