第3話 おじさんってバレちゃった!?
俺は今、2度目の人生で一番幸せな瞬間かもしれない。なぜなら、学年一の美女とこんなにも長くお話しをしているからだ。
どうせなら、連絡先くらい聞きたいな。
今まで若い女の子からキモがられてたから、せめて……せめて友達になりたい。
「あのさ、檜さん。俺、もっと話したいからさ、LIME交換しない?」
「……?」
「インステとかは?最近若い子がよくやっててさ……。」
「……???」
なんか、檜さんの様子がおかしいぞ。
俺、突っ込みすぎて引かれたかな。
すると、隣でじっと見ていた宗介が聞いてきた。
「なあ、お前さっきから何言ってんの。インステ?とか。」
「ごめん、私もそれ思っちゃった。初めて聞いたから。」
……はい、やりました。
やっぱり、若い子が言う言葉は使っちゃダメだな。
どうしよう、どう誤魔化す……。
「え、えっとぉー。」
やばい、誤魔化し方が分からん。
どうし――
キーンコーンカーンコーン……
「あ、予鈴だ。」
「本当だ、私もう行くね!じゃあね!」
そう言うと、檜さんはそそくさと行ってしまった。
まあ、その方が都合いいのか。
「おい、俺達も戻るぞ。」
宗介が呼んできたのでそのまま教室に戻った。
*
時間帯は昼になり、生徒達は昼食をとり始めた。
「俺達も購買行こうぜ。」
優斗が誘って来てくれたので、3人で購買へ向かった。
「そいえばさ、伊吹さっきさ、ら、らいむ?とかインステがなんちゃらかんちゃらって言ってたよな。アレなんなん?」
「え、そんな事言ったけ……。」
やばい、掘り返されてる。コイツめ。
「ブフゥ!おまっ、お前イケメンのクセして記憶力オッサンかよ笑」
優斗が突然笑いだした。思い返してみればコイツめちゃツボ浅かったな。
「何笑ってんだよ!」
俺は軽くチョップを入れた。
「――だったら?」
「「……え?」」
宗介と優斗が同時に反応した。
俺は少しからかってやろうとし
「俺が本当に中身オッサンだったら?」
少し間が空いたあと、2人は目を合わせて
「……でも、どうせお前はジジイになってもイケメンだろ?」
と、真顔で答えてきた。
だが、その答えはハズレだ。俺は《イケおじ》ではなく《おぢさん》だからだ。
……なんか、自分で言って自分で傷付いたな。
「……飯食おうぜ。」
流石に心が折れそうになったので話を変えた。
パンを食べようとした時、後ろから可愛らしい声が聞こえてきた。
おぢさん、クソイケメン男子高校生になりました! 観葉植物 @papikoice
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