第2話 2度目の高校生活

 なんやかんやあって無事に中学を卒業、そして高校に入学した。

 一回目と同じ高校にした。


「行ってきます。」


 今は高校一年の6月、俺に初めての彼女ができる頃だ。

 自分で言うのもなんだが、俺は容姿が良い方なのでいわゆるイケメンと言われていた。

 何度か告白はされたが、部活を優先していたので全て断っていた。


「おはー、伊吹〜今日も女子の視線集めやがって、俺にも視線くれよ。」


「何馬鹿な事言ってんだよ、優斗。」


 思い出してきたぞ。

 俺は、友達が多くて人気者だったんだ!


「おはよ、伊吹くん。」


「おはよう、本田さん。」


 出た、俺の元カノ。

 俺の人生を狂わせた原因。

 最初は可愛かったが、後々本性を出してきたのが結構トラウマになっている。

 本田千恵とはあと少しで付き合う事になるので、それだけは避けたい。


「ねえ、伊吹くん、今日さ……一緒に帰ら――」


「あー!宗介おはよう!昨日の番組見た?やっぱり、橋カノが一番だよな!?」


「あっ、ちょっと……。」


 よっしゃ!上手く逃げられた。危ない危ない、一緒に帰る羽目になってた。


「橋カノって誰だよ。」


「……あ。」


「……は?」


 しまった〜、まだ橋カノはテレビに出てないどころか生まれてないんだった!


「ごめん、忘れて……。」


「お、おう。」


 この事があったおかげで本田と付き合うことは無くなったが、俺に彼女ができる事は無くなったということになってしまう。


「――なんか、やだな。」


「どした?伊吹なんか変だぞ……。っ!おい、見ろよ。」


「何が?」


 そこにいたのは、学年一の美女と言われている檜百合さんだった。

 白い肌に、ふわふわとした黒髪、目は大きく、韓国アイドルのようなスタイルをした子だった。

 彼女が廊下を通るだけで、みんな彼女に釘付けだ。


「――!」


 目が合ってしまった。

 流石美人、目が離せない。


「おはようございます、瀬戸さん。」


「俺の名前知ってるの?」


「あっ、ごめんなさい、驚かせてしまって……みんな貴方の事話しているので、それで。」


「あーね。」


 そんな他愛もない話をし、癒されまくったと同時に、宗介の視線も気になってしょうがなかった。

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