第14話 社畜は雑事を卒業する
どうやら
でも年齢的には遅すぎると言われる事でしょうね。
新規で入って来る探索者には学歴不問職歴不問という事もあって義務教育を終えたばかりの子供から定年退職後のセカンドキャリア組まで年齢の幅があります。ただ、始めるにあたっては20歳を過ぎると才能に恵まれる事が少なく大成しにくいとされています。
セカンドキャリア組にしたって基礎として武芸を
僕個人は中学生で資格を得る事になったけど才能と言うかスキルと言うかそう言うものには縁がありませんでした。
ましてや箱入りわがまま娘の
でもどう考えてもそんなんじゃ我慢できる筈の無いお嬢様はやがて無茶なモンスターに突撃をかまして命を散らし、それを止められなかった僕たちは無能の烙印と共に路頭に迷う、なんてシナリオが待っているに違いないでしょ?
『栄光の片翼』の麗奈さんがストッパーになってくれたらいいんですけど、あの獰猛な顔付きといいつるんでる連中の
「〇〇町まで室長を探しに行けと言われるなら業務命令としていきますが仕事溜まりますよ」
「俺もこれから会議だから抜け出せないし酒匂君も大事な商談が待っている。手が空いているのは雅楽君だけか」
今聞き捨てならない事を耳にしました。『手が空いているのは雅楽君だけか』だと?
お前らの尻拭いをずっとしている僕が遊んでいるとでも言うのか?これでも自分のクライアントのフォローはちゃんとしているつもりなんですけど?アンタらが週末に出社せずに遊んでいられたのは誰のおかげだと思ってるんですか?その手に持ってる資料は誰がまとめたと思ってるんですか?契約のお膳立てを誰がしてたと思ってるんですか?寝てる間に小人さんが勝手に作ってくれてる訳じゃないんですよ?その机の上の書類はいつアンタらは処理したんです?何も触って無いじゃないですか!
長年の鬱憤で頭が沸騰している僕に、無能部長はへらへらと笑いながら更にパワーワードを口にしたんです。
「どうせヒマしてんだからお前彩様を探して来い。どうせデスクワークしかする事しか能が無いんだからさ。
マヌケ面晒してどんな恥をさらしてでも彩様を連れ戻して来い」
僕は引き出しから封筒を取り出し部長に突き付ける。
「デスクワークしか出来ないんで辞めます。これからはご自分で全ての資料を作成して自分の言葉で会議を乗り切ってください。
それからあなたがやってた空出張や水増し請求の資料も総務に出しておきますので首を洗って連絡を待って頂けたらありがたいです。僕の試算では3000万程度でしたがきっと氷山の一角だと思ってます。ついでに日頃僕に対するパワハラめいた言動や有休の取り扱いについても労基署に資料を提出してきますのであしからず」
突き付けられた封筒を反射的に受け取った部長は、何が起きたのかも分からずにポカンとしていました。
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