第13話 社畜は小事を忘れない
その後、
お嬢様が早退したところで任している仕事も無いから大勢に影響はない・・・と言いたいところですが部長とアホウが帰ったと聞いて腑抜けたようにしょぼくれてしまっている。しょぼくれる暇があったらせめて自分の仕事ぐらい
「
「そうっすよ、ウタさんの下ネタに嫌気が差したとかじゃないでしょうね?」
二人とも僕にセクハラ疑惑を持ってるけどお嬢様はアンタたちの方を嫌っていたみたいですけどね?
胸とか尻じゃないからってむやみやたらと肩を抱くのは、立派なセクハラ案件ですよ、部長。それにアホウの方がお嬢様の気を
そしてアンタたちは自分がしてた事を僕がした事にして査問会に掛けましたよね。お嬢様本人の僕にされた事は無いって証言で無罪放免になりましたけど冤罪を
それからもう一つ、アホウよ。僕をウタさん呼ばわりするのは止めてください。座布団を全部没収する爺さんみたいでヤダ。もうちょっと若いから。ついでに言えば本家はとっくに死んでます。
「とにかく、このままではオレの管理責任が問われちまう。雅楽君は彩様の説得に行ってくれ」
・・・どこに。あんな気ままに生きてる野獣の行き先なんて知る訳無いじゃないですか!それにアンタの管理能力なんてとっくの昔に見限られてますよ。
じゃなけりゃ、部下二人しかいない部長なんて立場になってる訳無いでしょ?
「あいにくと室長の行き先まで把握は出来てないんですが・・・」
「全く使えないヤツだなお前は!
「
「おおでかした!〇〇町、〇〇町って・・・」
そりゃマブダチの麗奈さんの事でしょうが、で、その店ってのはグリフォンがどうのって名前だったら探索者かダンジョンの関係に決まってるでしょうよ。そんな店って繁華街じゃないダンジョン近くの寂れたトコにしかないって決まってるじゃないですか。
実際〇〇町って図書館ダンジョンのすぐ近くですし、そのワタライさんとやらがそんなトコに行ってたって事はダンジョンに自殺しに行きたかったのか探索者気取りでおもちゃの短剣を振り回して刃傷沙汰でも起こしたかったのかどっちなんじゃないですか。
真っ当な人間が行きそうにないトコなんて・・・お嬢様は大好きですよね。
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