第15話
そしてまたもや自室だ。
メモは書いた。
ジュリアナ×、元ソファ(?)
ジュリアナの話だと、大事にされたものには魂が宿るらしい。
確かに私はソファを大事にしていた。夫と部下がソファでヤッていたことに腹を立てたくらいだから。
だけどソファが転生?しかも人間に?そもそも元は神なの?妖怪なの?
意味不明すぎる。
でもジュリアナは私たちしか知らないことを知っていた。私のことはもっと知っていた。そしてあの日の真実も知っていた。
ため息をついてペンを置き、メモを閉じる。
元ソファのジュリアナに性欲はないらしい。そもそも物だからは性別ない。
今回のお見合いに来たのは私にお礼を言うためだと言う。
自分を大事にしてくれた私に、多大な恩があるからと。
「いや……そもそもソファが転生って……」
どうりでソファの事ばかり語るわけだって、あほか!
肯定する材料はあるが、否定する根拠もない。
「ソファを妻にできるわけがない。あ、でも今は人か……」
ああ、どうしてこんなに困難な選択肢なのだろう。
ジュリアナとの会談後、宰相に話をした。
今回の候補者以外に誰かいないのかと……。
結果、デクステラ王国の王族はアンネマリー以外の独身女性がいない。
シニストラ王国の王族はフェリシアが長女で、次女は14歳。さすがに犯罪だ。
そしてマルゴー王国は公爵令嬢のジュリアナを養子にとって候補者と擁立するくらい女子がいない。いるとしたら亡くなった兄上の奥様だった女性。さすがにそれは勘弁してほしい。
『残念ながら慣例ですので、他国より妻をお迎えください』と宰相が珍しく真面目な顔をして言っていた。
どうやら覚悟を決めなければいけないらしい。
「3名のうち誰にするか……」
元夫、元部下、そして元ソファ。
(この中で選ぶなら彼女しかいないだろう)
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