第4話
兄上達は有力貴族の娘や、他国の王女と結婚した。王族の血を絶やすわけにはいかない。当然のことだ。
だが私は結婚しなかった。
表向きの理由は、政権争いを避けるため。私が結婚して男の子ができれば、それが面倒だと言う理由で断った。
でも本当の理由は、私が身体は男、心は女だからだ!
王族だって人間だ。兄上達は妙齢の貴族令嬢や、他国の王女を良く値踏みしていた。
「○○伯爵冷蔵は胸がでかい」
「○○公爵令嬢はうなじがきれいだ」
「××王国のドレスのスリットがやばい!太ももを見ちゃいそうになる~!」
「それを言うなら××王国だ!谷間が丸見えだ!」
なんて兄弟の会話が飛び交う中、私はいつも沈黙を貫いていた。
異性化転生のテンプレは女性が女性に、男性が男性に転生なのに、なんで私は男に生まれ変わったのだろう。
女性の胸を見て欲情なんかできない。だって脂肪の塊だし。大きいと重くて肩凝るって言うし。小さいとそれはそれで微妙だ。
うなじ?太もも?どうでも良い。かわいい顔?きれいな顔?それは分かるが、だから恋するわけじゃない。
男子の思春期特有の性の衝動も、女性への情欲も湧かなかった。
せめて私が百合属性であれば良かったのに、その気はない。
だからと言って男性は好きになれない。だって男同士ってナニでするんでしょ?想像するだけで無理!
結局私は表の理由で縁談を全て断った。
この時ばかりは第三王子で良かったと思った。
王太子だったら無理やり子作りさせられていたし、第二王子だったら王太子に何かあった場合にと、やはり子作りさせられていただろうから。
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