激痛の証

アレクラルク=ネレイア=CMC

君の言いたいことは分かるが会社は無視します

 君に不幸になって欲しい。

 いや?

 私は笑顔が嫌いなんだ。

 どうして私に笑うんだい。

 私が難しい案件を抱えてるのが分からないかな。

 あのね。

 会社というものを勘違いしている。

 僕は査定をしない。

 人事課の仕事だ。


 困るね。

 ドラマを真に受けてる奴ら。

 テレビ屋なんて社会人じゃないよ。

 テレビをシャットアウトしない人間は社会人じゃない。

 一切観るな。

 活字を読みなさい。

 百歩譲ってネットでもいいよ。


 うーん。

 いや。僕は先生ではない。

 君が先生を信用したのは君の勝手だ。

 上司には媚びろか。

 履き違えてるなあ。

 成績の悪い部下は嫌いだよ。

 売り上げを上げなさい。

 これが「媚びる」ってことだ。

 会社は利益集団だ。

 たいこ持ちの居場所はないんだよ?


 あのね。

 困るんだ。

 君ごときのために。

 あーあ。胃が痛い。

 何だ。この使えない新人は。

 学校ね。

 あーあ。

 確かに教員免許持ちに商売は無理だ。


 いいかい。

 頼むからさ。

 お願いだから。

 理解してよ。

 僕と和解したいなら案件取って来い。

 いいかい。

 ここは「ギルド」なんだよ。

 僕レベル28くらい。

 40代だけどね。

 レベル3のお前と一緒に冒険?

 嫌。

 帰れよ。

 お前さ。

 僕、入社した段階でレベル11くらいはあった。

 お前みたいな奴どう育てればいいか分からない。

 レベル3の世界なんて知らない。

 4歳くらいでレベル5になったから。

 幼稚園児が社会に紛れ込んで来たらどうすればいいかなんて。

 悪いけど、僕にそんなノウハウはない。

 あれ。

 ナイフ?

 あー。

 ついてない。

 僕、こんなに真面目に生きたのに。クソ野郎が。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

激痛の証 アレクラルク=ネレイア=CMC @alecralk_n_cmc

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ