第20話 蒼き炎獄
ドールはピナスからの容赦のない
——やっぱり私は、間違った存在だったんだ。
——グレーダン教は
「…長話が過ぎたな。気が済んだならさっさと例の広場に戻るぞ。」
ピナスが憎しみを
だが十字架の
「よく考えれば再び飛翔する必要などない、例の広場を思い浮かべて転移すれば良いのだ。…ほれ、さっさと手を貸せ。共に帰ったことを証明せねば、
ピナスは
「心配してくれてありがとう。でもごめんなさい。私、あの広場には戻らないわ。」
「…は? 貴様、一体何のつもりだ?」
「…何のつもりも無い。愚かな私が居てもきっと迷惑をかけて邪魔なだけだから、遠慮するって言ってるの。私はずっとここに残ってるから、悪いけど
ドールは
一方でその
「無駄口は
「…やめて……私に構わないでよ!!」
そのとき、ドールの胸の内で抑えられなくなった負の感情が盛大に決壊した。それは燃え盛る
工房の突き当りの机上に並んでいた書類一式が
だがピナスは自分と同じように生きた人の肉体ではなかったからか肌身を焦がすことはなく、その場で
「貴様いい加減にしろ! こんなところで引き
「そんなことを
「愚か者が…貴様はドランジアを憎まないのか!? 最初から奴の
「思わないわ。あらゆる思惑が
ドールは自分と同じくピナスも、この
「
「そのために貴様らが信じる創世の神が悪魔をこの地へ
ピナスががなり立てる主張は、ドールの拒絶反応をより一層
少女の発想はドールがグレーダン教の修道女として
「…
「
その瞬間、ピナスの身体は地下空間に
ドールは
ただ
**********
止め
だがその少女の身体がステラの魔力によって
——もしかしたらピナス以外にも悪魔の力を
——この世界から悪魔が力を失おうと、その
——どんなに人の歴史が虚実の積み重ねであっても、その摂理は間違いなく
ドールは
他方で押し寄せる魔力の波に
「リヴィアさん、これどうにか
「正確には物質の
「冗談じゃないわ! 私だってこの炎は見てるだけでしんどいのよ! ねぇピオニー隊長、何とかならないの!?」
「
「じゃあさっさと転移して脱出するべきなんじゃないの!? この際
「…それが、試そうとしても
「何よそれ…じゃあ、やっぱりあいつを何とかしなきゃいけないってこと!?」
室内に満ちる
具象化する膨大な魔力に
そのことをステラも理解したのか、ピナスを
「ピナスさんが気を失うまで
「
「…確かにこの人には色々抱えてるものがあるのかもしれないけれど、今この世界で私達が
「何を
「私達は
ドールが虚ろな表情で淡々と答えていると、
それを
「私の魔力を奪うつもりなら容赦はしませんよ、ステラさん。その前に
「…よすんだステラ! 彼女を
するとイリアが事態を察したのか、
だがステラは、
「…いいえ、
「ずっと
その執念深いとも言える切望に、ドールは思わず
常人ならば
——今更何も話すことなんてない。
——結局そうやって私を
だがドールが反論しようと吐息を震わせると、ステラはそれを
「イリアさん、この狭い場所じゃなければ、ドールの炎に対抗
「ステラ!? 一体何を考えて…!?」
「それからリヴィアさん、ほんの一瞬ならこの炎を無力化することは
「…
「ネリネさんはそのまま動かないで…転移の寸前に私が
「何言ってるの!? 逃げるならその修道女だけ置き去りにすればいいじゃない!」
「それは
ステラの宣言は、ドールにとってはただ
そのはずだったが、地下空間に満ちる
ドールが目を泳がせると、クランメが両手で空気を
間もなくして、それがこの空間で
ドールがその抑圧を
周囲は比較的開けていて、
そこが現世のどのような場所なのか、ドールはほんの
——もうやめて…
だが
地鳴りと共に黒い煙が立ち込めたが、ドールは
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