第16話 採るべき選択
他方で、案の
「リヴィア
その至って
時系列に
それ
——ロキシーの
——それもそれでステラに無力感が生まれる結果になるんとちゃうか。そんでピオニー隊長がロキシーへの魔力供給を断念しようもんなら、
——ああもう、嘘を
クランメの算段では、ネリネをイリアの監督下に預けて
だがネリネには釘を刺したとはいえ、ロキシーが目覚めないことには不満が解消されるとは思えなかった。そして『強欲の悪魔』を宿すステラがロキシーの生命活力——現状で言う魔力の提供を惜しまないことを、イリアは良しと考えていなかった。
クランメはロキシーが万全に回復しないことがある程度想定
——それでも構へん。ドランジアをどうするかは全員共通の命題になっているように見えて、その
——せやからこれは最初から、うちが
——そのはずやのに……なして今んなって、引け目なんて感じてるんやろか。
だがその原因は、ネリネとロキシー、イリアとステラが互いに寄り添う様を見比べていくうちに何となく
クランメは胸元の
——
クランメは煮え切らない心情にけりを付けようと、黒い花畑の上でこちらの会話の流れを
「ネリネのお嬢さん、ちと
するとネリネを
だがネリネが一旦距離をとった機を
「リヴィア
「別にうちは何もしてへんよ。今でもあいつは打算で動いてるに過ぎひんのやろうしな。」
「…
イリアが
「この奇妙な世界で人生の続きをしたいんやったら、うちらは安易に
その
クランメは特段
そして頃合いを見計らっていたのか再び上空から風が吹き付け、クランメの
「やっぱり、さっきよりもかなり狭まって来てるわ。この広場にももう、あまり長くは居られないのかもしれない。」
「…何だと!? どういうことなんだ!?」
驚きで小さく声音を震わせたイリアと早くも不安を顔に
「…ドランジア議長が、ラ・クリム
クランメが
一方でイリアからはこの広場を
とはいえ
——
——こうなるから
「ほな、ここはもう移動しよか。全員
ネリネを
だがイリアとステラは
「…リヴィア
その釈然としない態度の原因はクランメも
「あんたらは、ドランジアを止めない方がええと思っとるんやな? うちらが大人しく消滅しても、それで現世のラ・クリマス大陸に厄災なき平穏が実現するんなら、特段抵抗する理由はないって考えとるんやな?」
そこで反論しようと口を開いたのはネリネの方であったが、
他方でイリアは中途半端に
先程までの
それは悪魔を宿している身としては致命的な精神状態であると身を
だがクランメはここまで打ち明けた以上後戻りは
「確かにドランジアがやっとることは、大陸に平和を
「
「奴は大陸から厄災を消し去ったんやない…
力説していたはずが最後の方は皮肉や嫌味が混じり、クランメは無自覚にも
それを聞いたイリアは対照的に苦笑いを作っていたが、一方でネリネはクランメに乗じるように声音を弾ませた。
「いいじゃない、その方針で。ていうかそもそも悪魔が私達の中で生き
だがその瞬間にはネリネが空色の目付きを変えて、振り返りざまに
クランメだけでなくイリアとステラも驚いてその
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