第15話 気休め
彼女は主語を誇張してはいるが、このロキシーという
クランメにとって悪魔との共生は、元よりそのような足元を見られた取引を甘んじて承諾したことから始まったと表しても
——こいつが『
——30時間の
そう考えると同行に応じることが一段と
だがこれ以上
——
——そうなると、その意味も含めてうちが直接話を通した方がええことになる。でもなぁ…ここですんなりと同調すんのも、
クランメは
「しゃあない、出向いたるわ。他の連中が
すると目の前の少女は上機嫌そうに
「ありがとうございます。確かピオニー隊長は例の広場に
「せやけど
「それは…
「仮にも
だが
クランメは彼女の
この世界で彼女以外に『
「…
少女は穏やかな物腰を崩さず応じてみせたが、
それでも平静を
「ほな、さっさと用事済ませに行こか。」
「あっ…すみません、待ってください。」
クランメが黒い花々に満ちた広場を思い起こし転移を試みようとした矢先、慌てて少女が呼び止めてきた。
振り向くと、
「申し上げにくいんですが…どうか私を連れ立って転移をしてくれませんか。」
「どしたん? あの気色の悪い広場のこと
「
だがクランメは
元より不確定要素を
その一方で、少女の正体についてまた1つ生まれた仮説を
——転移が
——それすらも
——もしそんならさっきの
間もなくして視界が晴れると、クランメを含めた3人は再びソンノム霊園を模した広場に立っていた。
辺りを見渡すと、ネリネを
イリアはクランメを含めて
ステラもまた重たそうな
クランメはその2人の反応を遠目に
——結局ステラがロキシーの毒を
——ステラが口を
現にイリアもネリネに対し
だが少女はロキシーを抱えたまま何か言い
それもまた演技なのか定かではなかったが、時間が惜しかったクランメは少女の背中を強引に押し出して、気味の悪い沈黙を排除しようとした。
少女は
「…先程は感情的になり危害を加えてしまい、申し訳ありませんでした。結果としてこの
「理由もなく危害を加えたアヴァリーさんに助力を
その根源を
イリアはそれが魔力の分配だと察するや
「ステラ、大丈夫なのか!? 身体が弱っているのは
「…平気です、イリアさん。私は誰1人として、弱っている人を見過ごすつもりはないんです。それが
「そういう話じゃない…
クランメには、イリアが
他方のネリネを
その伝染を更に促進させるように、ステラが力強く言葉にした。
「だから…大丈夫なんです。誰の手も取り
だが依然として静かに眠っているようで、ネリネを
一方のステラもまた、症状が
「私の身体を
「
「魔力が戻っても、肝心の悪徳が機能せえへんことにはどうにもならん。例えるなら、ポットに水は注げたが火が
クランメが
「大丈夫ですって。この
「……。」
まるで根性論を
——今は良くても、裏を返せば
——うちらは恐らく自覚しとる以上に、
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