第7話 不屈の信念
ピナスは
だが
「確かに
「
説得を
そうなれば最後、胸の内に湧き立つ衝動が——今のこの
——貴様らと組めば、
ピナスはイリア側とは念頭に掲げる目的が真っ向から食い違っていることを認識しつつも、それを具体化することで抵抗を続けようと試みた。
「…貴様らは
ピナスに名指しで指摘されたイリアは、何か言い返そうとした
「我が一族は普段の食事でリンゴを口にすることはない…アヴスティナ近辺では獲れないからのう。粗末にするわけにいかず仕方なしに喰らった。だがそれはドランジアからすれば、我が一族の誰が悪魔を宿そうが構わなかったという意味であろう。」
「それでも
「…貴様らとは、根本的に行動原理が異なるのだ。ドランジアの野望など知ったことではない…ただ
イリアがまた何か言おうと肩を動かしたが、それよりも先にステラの足が前に出て、イリアに対して何か示し合っているように見えた。
そしてこちらに向き直ったステラが腰を
「こんな形でお話をするのは失礼かもしれないけど、最後まで聞いてもらえれば
「…構わん、好きにしろ。」
ステラのぎこちない切り出し方から、彼女が恐らくイリアからピナスの見た目と実際の
「じゃあピナスさん。あのね、
青白い
自分は確かに悪魔の力を
ステラの場合は前後関係が逆転しており、あまりにも上手く
「…貴様は、そのリンゴを
「
「私の生まれ育ったグリセーオは色々と大変なところで…
「でも
ピナスはステラが問いかけ以上の答えを打ち明けてくる間も少しずつ魔力を
「…何が言いたいんだ貴様は。早くしろ。」
「ごめんなさい、つまりね…
「でもその一方で、その信念がどこかで負い目になっている。少なくとも私には
その切なる訴えにピナスは
結局は
そしてステラに対し、
「
「強がっても駄目よ。
「だから私は
安易な拒絶がかえって引き金となったのか、ステラはより強気になり親が子を
だがピナスは不思議と腹が立たず、
ピナスから見ればステラの方が
そのような感覚の食い違いなどお構いなしに押し付ける
そしてその好意を
——こういう
——この
「私は孤児院の管理人だったの。…いえ、その前に領主の娘だったと言うべきね。子供も大人も関係ない、見知っていようがなかろうが心を通わせ手を取れる人に私はならなきゃいけなかった。それにもっと早く気付いていれば、あんなに幼い子が悪魔を宿すことなんてなかったから。」
「
ピナスはステラの後悔を
祖父オドラ―が悪魔の宿る原因の1つが悪徳の『
「ところで…その話は
一方のステラはピナスの
「…そうね、身体が虚弱で不自由だった分、抱えていたものは大きかったのかもしれないわ。芯の強い子だったのよね…リオは。」
そのときステラが
——
ピナスの明らかな動揺にステラも何か驚かされたような表情を浮かべており、それを察したピナスは
「おい、そのリオという人間の子は
「えっ? …リオは、その…短い栗毛に
「それは何年前の話だ。」
「…5年前のことよ。」
食ってかかるような質問にステラは
他方のピナスはその2つの質問をしたきり黙り込んでしまったが、失われたはずの
——間違いない、あのとき川に流されたリオナは、下流で救助されてグリセーオで
——そして、悪魔を宿して…今度こそ命を落としていたのだ。
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