第7話 土壇場
イリアが『
ルーシーは依然として大柄な『
「
ほんの少し前までは、ルーシーの掲げる壮大な計略に納得できなくとも理解を寄せられればそれで構わないとイリアは
だが『
2人の正体が『
そのうえでルーシーの判断を理解すべきではない、正しいことだと認めるべきではないと脳内で
この
そして
案の
「ウィロ・カルミアは大陸議会議員ヴェルフ・カルミア氏の末子だが、その
「そしてナンジ―・レドバッドは今から20年ほど前に大陸東部で起きた『
「それから13年という長い月日が経っても、2人の信念は揺らぐことなく忠実な働きぶりを見せてくれていた。そして最後の悪魔を顕現させるためならば
他方のイリアはその
「
「『
一転して簡潔で非情なルーシーの物言いに、イリアは更に顔を引き
『
「…確かに
「私のような軍人もまた国民のために身を
「
イリアが声を
それでもルーシーは変わらず冷淡な口調で、イリアの
「
「そんなものは
「
だがイリアが夢中で
「
「…イリア、主語を肥大化させて訴えかけるのはおまえの悪い
周囲で待機していた『
それでも
——駄目だ。これでは
——だがこのまま大人しく捕らわれるべきだとは
——他にも『
——どうすればいい? 私は一体どうするべきなんだ…!?
そのとき、広場一帯の乱れた空気が
——何だ!? これは……氷が突然、生まれた…!?
その
身体から
「良いところに来たな、カリム。だがもう少し悪魔の力の扱いには気を付けた方がいいんじゃないか。」
一方のルーシーはまるで意に介さない落ち着いた声音で、イリアの背後に向かって
見ると、『
一方で左手には凍り付いた瓶が握られており、その中では何やら淡い青色の光が
彼が青年だと
——何者だ? …
——今の氷結はこの青年の
「…申し訳ございません、議長。報告を受けて急ぎ
カリムと呼ばれた青年はイリアの真横で立ち止まると、
だがルーシーはそれ以上に青年を
「『
イリアはその言い回しから、この青年が先程までクランメの
そして青年が持つ杖の先端に着装されている黒い鉱石らしき部分からは、何やら
——はっきりと
——まるで最初から、今日で野望を果たすべく備えていたみたいではないか…!
クランメが助からず本当に自分が悪魔の最後の宿主となったことを自覚すると、せめてもの抵抗のために停滞した空気をもう一度奮い立たせようと歯を食い
「…議長、その前に1つ、お
だがカリムは
「何だ? 言ってみろ。」
「…今から5年前、グリセーオで起きた『強欲の悪魔』の厄災…あれは、僕が買ったリンゴに
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