第3話 命日
イリアは
幼少の頃に父ジオラスが自分を驚かせようと
すると裏面に、焦げ付いた文字が徐々に浮かび上がってきた。
だがイリアは期待通りの展開とは裏腹に、表向きの
——これは
——実際に受け取る立場になると、
実際に秘密の伝言として
それでもイリアの脳内では、クランメが普段通りの独特な口調で語り掛けてくるような、
『会合の無期限延期ってのは言葉の
『6月30日の午後には奴の部下が来て、うちに宿る悪魔を『封印』するつもりや。悪魔とうちの命が同化しとる以上、それはクランメ・リヴィアという人間の死を意味する。
——どういうことだ? リヴィア氏に厄災を
『信じられへんかもしれんけど、ここ30日の間に頻発しとる厄災は、ドランジアが『
『結果としてドランジアは5体の悪魔の『封印』に成功したんやと思う。そして
『でもな、別にこれは救援要請とちゃうねん。
今日がまさに6月30日であり、時刻は
——
『ほんでもこの告発を
『せやけど怒らんと最後まで読んでほしいねん。もしうちが宿す悪魔が『封印』されれば、残るのは『
『その悪魔の性質上、うちみたいに奴と個人的な接点のある者が狙われる可能性が高いねん。せやからこれは
『奴に使わせとる『封印』の装置はまだ試作段階で、
『具体的に何を
『…気付いたら長文になってしもて
最後はまるで走り書きのようで、取り留めのない締め
それだけクランメに余裕がなかったのだろうと
——リヴィア氏からの告発はまるで
——もしその
——私は、真実を知りたい。知らなければならないんだ。
「カルミア副隊長、すまないが後でもう一度私の部屋まで来てくれないか。」
イリアは外でナンジ―と話し込んでいたウィロに声を掛けると、
「どうしたんすか隊長、さっきより顔色悪いっすよ。あ、もしかして何か深刻な話っすか? 実は副隊長が
「…あんたねぇ、笑えない冗談は
ぞんざいな扱いに
「いや、可能ならレドバッド副隊長も同席してほしい。…その方が都合は良さそうだ。」
イリアが自室に戻ると、間もなくしてウィロとナンジ―は
「お待たせしました、隊長。やっぱり改まって俺とレドバッドを呼びつけるってことは、そういう人事関係の話なんすか?」
「カルミア副隊長さん、まずは隊長がお話しされる番なのでそれまで黙っててもらえますか?」
ナンジ―が冷淡な口調で露骨に
「…カルミア副隊長、本日中にドランジア議長と面会することは可能か? 至急確認したい案件が発生してな、
ルーシー・ドランジアは
明日にはセントラムへ
他方のウィロは、その
「議長は
その
「夕方なら議長はお
「いや、お会いできても仕事の話が
「ソンノム霊園? ……ああ、そうか、今日は…。」
ソンノム霊園とは、グラティア州の西端に位置する
当時の首相であったナスタ―・ドランジアらが
ナスタ―らの遺骨が納められているのがソンノム霊園であり、ルーシーはその墓参りのために時間を
それを知ったイリアは、
『もしこの世界が何か変わってしまうのならば、せめてその理由を誰か1人でも知っといて欲しかった。』
それでも、クランメの
——議長はこの国を変えてしまうような手腕の持ち主と持て
——だがそれが大陸全土に
——
——だが
「馬の手配なら帰り
いつの間にか
「そうですね。そんな顔でまた遠征に
ナンジ―までもが
——まったく…この2人には、いつも
だがそんな自分でも隊長として顔を立て
「…2人とも、感謝する。15時頃には
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