第4話 誇りか、呪いか
**********
巨大な青白い怪鳥の姿で悠然と西へ
他方で眼下に続く線路は、
ここは北のディレクト州、西のグラティア州、南のプディシティア州の3つの地域の境目であり、これらを
その
間もなくして、
一方のピナスもその騒がしい様子を遠巻きに
——面倒だのう。
普段から動物の狩猟に従事していたピナスの
だが転身している怪鳥の姿で機敏な飛行ができるわけではなく、高度を上げればその分悪魔の力の消費が激しいように思えて、大陸軍の射撃を回避しながら越境することに
仕方なく大きく旋回し、
ピナスは反射的に身を
さすがに冷や汗を浮かべて
——人を、生き物を
グラティア州への侵入を警護する大陸軍の役目などピナスには知る由もなく、端的に『
——これでは厄災と何も変わらん。こんなものがクラウザに放り込まれるような未来など、許すわけにはいかん。
意を決したピナスは勢いよく滑空して
そして再び怪鳥へ姿を戻し跳ね上がるように飛翔すると、即座に狼へと転じて壁の上に降り立った。
そこで迎撃の配置に就いていた軍人が
恐れ
ピナスは再度怪鳥の姿に変化し飛翔すると、追撃を警戒しつつ
ピナスにはその意味が理解できなかったが、気味の悪いその煙の流れを嫌うように風下を避けて石壁を越えようとした。
だがその手前、無人となった
数十の人間を
——やはりお
——それなのに
そうして苛烈に
——この力は、やはり一族に掛けられた呪いなどではない。創世の神より
**********
「
人間との
オドラ―はくすんだ体毛に
「ピナスよ、おまえは
「…!?
思わぬ切り返しに
「じゃが同じように憎しみを
「結局『
ピナスにとってこの大陸の厄災の歴史は小耳に挟んだ程度でしかなく、
「…『
「ラ・クリマス大陸に隕石が墜ちてから7つの悪魔がこの地に
「…ディヴィルガムとは、この地に墜ちた隕石を
「ディヴィルガムを生み出した預言者グレーダンは、隕石が悪魔を宿していた
「ですが、ラ・クリマスの悪魔は今なおこの地で生き永らえております。そのような
「
「そして
それを聞いたピナスもまた当然のように身を乗り出し、詰め寄るようにオドラ―に答えを求めた。
「それはつまり、グレーダンなる者が『
「…
「グレーダンは国王でありながら、そのような人間どもを
「グレーダンは『7つの
「そんな…一族への友好の意志は、即位される次期国王に継承されなかったのですか?」
「…第1皇子はまだ幼かった。ちょうどいまのおまえの
ピナスは徐々に回答を言い
ラピス・ルプスの民は生まれて5年ほどは人間とほぼ同様の速度で育つが、それ以降の身体の成長は人間と比べ2,3年ほど緩やかになるものであった。
このときピナスは
その程度の
「当時のグレーダンは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます