第2話 ラピス・ルプスの民
「
小さな身体で
加えて走行する機関車の屋根という経験したことの無い足場
「ラ・クリマスの悪魔の力を封じる隕石を
図星を突かれたカリムは思わず
一方のピナスは何ら攻撃を仕掛けてくる
「そもそも
ピナスの口からルーシーの名が
「…
「
ピナスは即座に言い返し
蒸気機関車の操縦士が
その事態にカリムとサキナが気付くよりも早く、ピナスは背中から鷹のような青白い翼を生やして
「まぁ、今回はサキナに免じて見逃してやるとしよう。首都ヴィルトスを適当に襲撃すれば、いずれ首相は
そして再び巨大な青白い怪鳥に姿を転じさせたピナスは、大陸西部にある首都を目指してより高く舞い上がった。
下方から何やらサキナが
——首相と
**********
——何者かが、近付いてくる。
——
アヴスティナ連峰の中腹に『
千年以上前にラ・クリマス大陸に存在していた
その内訳も老人と女子供が
そして集落の入口で
「このような朝早くから大陸軍が何用か。それとも
ピナスが皮肉を込めた
「…ラピス・ルプスの民よ、突然の来訪と我々の非礼をお詫び申し上げます。恥ずかしながら、昨日の午後には到着する予定が我々の過失により遅滞してしまいました。」
「私は大陸平和維持軍、国土開発支援第1部隊長のイリア・ピオニーと申します。
イリアと名乗る女隊長が
一方のピナスはその聞き慣れない表現が気に食わず、種族特有の銀色の瞳を光らせ、
「勧告だと?
「…ピナス、勧告と命令は同義ではない。法的拘束力の伴わない大陸議会からの意思表示のようなものじゃ。」
そんなピナスを喰い止めるように、背後から
そこには銀色がくすんで灰色同然となった、全身毛むくじゃらのラピス・ルプスの民が、古びた杖を付きながら静かに歩み寄っているところであった。
「お
振り返ったピナスが気まずそうに
「大陸議会の使者よ、孫の未熟な言動をご容赦いただきたい…
「…いえ、我々の
「
するとイリアは肩から下げている
「記載されているのは、グラティア州北西部に位置する国有地への移住案となっております。このアヴスティナ連峰と比べ環境は大きく変わってしまいますが、大陸軍により保全された緑豊かな土地であり、定期的な物資提供などもお約束させていただく所存でございます。」
オドラ―が巻紙に
「移住案だと?
「主な理由は2点ございます。第一に、長い大陸史の中で
だが
「第二に、翌年に控えた千年祭により増加するであろう外国人の
イリアは実際に大陸議会で交わされた勧告の根拠を
だがピナスから見れば相手は大陸軍の隊長とはいえ歳下の女性であり、講釈を垂れているかのような不快感が込み上げて来るばかりであった。
「話にならんな。結局は貴様らの
「ピナス、それはおまえに都合がいいだけの解釈に過ぎん。我々を人として扱っているからこその勧告なのじゃ。」
またしてもオドラ―に発言を
「お
だがオドラ―は何ら動じることなく勧告を
「そのように大声を出すと同胞が
再びオドラ―から
「お
そしてイリアが半身を
大陸議会ならびに大陸軍として少しでも友好的な関係を構築するためか、国土開発支援部隊が配給して回っている食糧などの物資を無償提供したのち、イリア率いる部隊は敬礼して早々にクラウザを立ち去って行った。
引き渡された荷物の中身は野菜や果実、肉の
それでもピナスは釈然としない
「恩着せがましい奴らめ。こんなものに頼らざるを得ないほど
「ピナス、そのような
だが再三オドラ―からその姿勢に釘を刺され、小さく舌打ちをしたピナスは、
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