第3話「才色兼備」

まさか君に

僕をいなす力があるなど

思いもしなかった

果たして君の体内には

どれほどの経験が詰まってるのだろう

だがそれが嘘から出た庇護であるなら


随分と挑戦的な人生を歩んだのだね

だが打って変わって君は

それでも釈然としてる

と、いう事は、モラルに沿った

博愛主義者であったか


これは、失敬

君と肩を並べるだけで

身震いしてしまうな


才色兼備な君だもの

ここで直るは自分のほうだったか

さて、言葉を聞かせてほしい

まさかただで帰ってくれる訳じゃないだろ


僕と対峙した以上

何かもくろみがあるのだろ

そうだと思った

それが君だもの


果たして、君は何を告げるだろう

それは語学や理論的な一般論ではないはずだ

なにせ君は、生きる事には引けを取らない

コンスタンスを持っているのだものね


いやはや、やはり直るのは僕の方だったか

さて、いさぎよく、話して欲しい、

全てを理解するつもりでいる

だから気兼ねなく、問いただしてくれ


さぁ

さぁ


なぜ口を噤む、

まさか君は、サプライズを用意しているのか

これは参ったな、

それでは、まさか君は

僕を喜ばそうなどと

そういった施しをするのか


君はやはり聡明で在り抜かりない

ああ、では、惜しめなく

君の預かりけれぬその秘めた思いを

頂戴するよ。


ありがとう。

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