第2話「気のまま」

かつての利己に

礼節なる範疇に

その加護を賭して

甘い人生を過ごしてきたのは

君も同じだろ

この一点の社会的

模範事項を繰り返し

喪失しないように

失敗しないように

真ん中の方でいい顔をしたのは

やはり君も同じだろ


ただ失脚するよりは

秀作だと言える

讃えられる

そんな媚びついた

倫理観を宿して

果たして君は

誰に好かれたいんだい


まさか

不特定多数に愛されたいなんて

思ってないよね?


確かに君は

現実を丁重に扱ってるが

それは臆病故の手段であって

本当の夢さえ

建前になってるんだろ


煮え切れない現実に

君は満足してるというなら

それはそれでいいけど

僕としてはもっと気がってな

振る舞いも悪くないなんて

思ってるよ


まぁ悪酔いがてらでいいから

本性を見せてよ

いつまでもセオリー通りなんて

僕だって起きぬけないからさ


さて、明日は

いつもと違う風貌で

歩いてみないか

じゃ、約束。


楽しみに待ってるよ。

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