エピローグ⑤

 この土地から離れれば、山に来る事はないと高を括っていた。


「逃げる事は不可能だったんだ」

「この結末から逃れる術は無いんだ」


 少女はやっと自分の運命を受け入れた。

 そう。どう足掻いてもアカシアの記録には逆らえないのだから。

 少女は見えない誰かに、見るも無残な虐待を受けながら、その短い生涯を嘆きながら閉じた。あの時の娘のように。


〈完〉

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